朝日から逃げて数分。
道が分からなければ、地球のことすら
分からない妾は、とりあえず誰かに
話しかけてみることにした。
誰に話しかけても、
妾の話は信じてもらえない。
それに、誰もが
見て見ぬふりをしようとした。
一言だけで通り過ぎて行く人。
そもそも無視をする人。
朝日みたいに、妾の目を見て
笑いかけてくれる人はいなかった。
明るかった太陽は、
いつの間にか沈みこもうとしていて、
太陽すら妾を見放すか……なんて。
そんなことを考えながら
知らない道を歩いていた時だった。
妾に話しかける男がいた。
妾を子供扱いしたような声音と、
いやに気味の悪い顔。
月から来たとて、悪い人間くらいわかる。
コイツについて行ったら、
きっと良くないことだって。
だから妾は、差し出された手を
跳ね除けて、踵を返した。
今晩をどう過ごそうか考えながら。
でも、自分よりも一回り大きな手に
手を掴まれて、逃げ道が
塗りつぶされてしまった。
簡単に流される話。
引きずられる体。
コイツは、話を聞いてくれさえしない。
対抗するように髪を光らせれば、
日の落ちた空間に、小さな灯りが灯る。
何をしても効かないどころか、
握られる手が強くなるばかり。
自分の無力さを痛感しながら、
朝日から逃げたことを後悔した。
これじゃあ姫を見つけるどころか、
人間に捕まって終わる。
これなら、クマに追いかけられて
いた時の方がマシだったな……
そんなことを思っては、瞳に膜が張られた。
その時、沈んだはずの太陽が
再び妾の前に現れたんだ。







![駒沢兄弟は幼なじみがいました!?[R18じゃないよ!?]](https://novel-img-gcs.prepics-cdn.com/prcmnovel-tokyo-prod-converted-images/p/ZbYAPyUVrEP3TLKzNe0AAItD6td2/cover/01KGC150Z3S86119MWGHHYHB65_resized_240x340.jpg)





編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。