家の前まで来て、ぷりっつは俺に尋ねて来た。
何の事かさっぱりわからない。
本当にどうしよう。
まぜ太はこの時間寝てるだろ…23時回ってるし。
これでも真面目に考えたんだ俺は。
……うん…そう……だ…。
というかこの土砂降りの中、野宿って言うのは正直気が引けた。
俺は渋々家の中に入って、玄関の扉を閉めた。
今日来たばっかりだが、何処か昼よりこじんまりしているような気がする。
これが日の出ている時間と日の出ていない時間の差なのかと思うとなんだか笑みが溢れて来てしまう。
そう言うとぷりっつは俺の頭に手を置いて、髪をわしゃわしゃして来た。
俺らはもう時間も時間なので、各自風呂に入って寝ることにした。
うん、そう、やばい。
…そう、今は最悪の事態になっている。
寝床はベット一個しか無くて、しかもシングル。
それにそこはぷりっつの部屋という…はぁぁぁ……。
何か策でも思いついたのだろうか。
目がとても輝いていた。
布団に潜って、お互い背中合わせになる。
2分ほどして、ぷりっつの寝息が聞こえた。
__それと同時に、何故かぷりっつにハグされた。
…え?
此奴全然離れねえ…。
ぷりっつの顔が見れないことが一番の救いだろう。
…後、なんだか自分の体の異変に気付く。
そう、何故か…何故か分からないが、いつもより鼓動が速くて、なんだか頬に熱が篭っているようだった。
なんだこれ…。
ビクッ…。
いきなり耳元で囁かれた俺の体は反応してしまう。
ぷりっつは俺の顔を覗き込んだ後、目を見開かせ体を硬直させていた。
そして俺らは眠りについた。
次の日は休日だったので、ぷりっつが寝てる間に案内さんの家に駆け込んで、昨日の事を相談してみた。
いや、昨日俺も徹夜で頑張って考えたけど…。
やっぱり恋だったのか………。
流石案内さん、めっちゃ適当。
はいはいってなんだ。
そんな子供に対する言葉みたいな。
…でも、恋、かぁ……。
そんな事を考えてる内に、ぷりっつの家に着く。
何度見ても思うが、本当に大きな家だなあ…。
扉を開けると、何かが俺に飛びついて来た。
俺に抱きついて来たのは…。
切りまーす。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。