ただ、知りたかった。
あんなにいつも明るい暁山が
なぜ死にたがっているのか。
俺を救おうとしてくれた暁山。
俺も、暁山も助けになりたい。
そこまで言った暁山は、諦めたように笑った。
口だけで。
……中途半端。
それは……俺もだよ。
いつもあいつらに追いつきたくて頑張ったけど
いつまで経っても追いつけなくて……
そんな俺が1番、中途半端だった。
その時、チャイムが鳴った。
俺が言った直後。
彰人っ?!
瑞希……?!
神代先輩と、司先輩だった。
神代先輩は、静かだけど威厳を放ってそう言った。
いつもの先輩じゃねぇな……
……神代先輩は、鋭い。
先輩はきっと、俺らが死のうと思ってることを察した。
司先輩まで、いつもとは違っていた。
さっきまで騒いでたのに、急に静かになったし。
もういいよ。
俺はもう、いい。
死ねば辛いことなんてなくなる。
もう…ほっといて。
俺の問題は、俺が解決しなきゃいけない。
いや……もう、解決する必要なんてないのか?
俺はチームを辞めた。
ならもう、いいじゃないか。
誰も俺を必要としてないんだから。
話したところで、どうせ何も変わらない。
?
ニーゴ?
なんかそれ、聞いたことあるな。
なんだっけ。
暁山たちの曲?
……あぁそうだ、思い出した。
絵名もやってる音楽サークルだ。
1回だけ聞いたことあるけど…
確かに司先輩の解釈は合ってる気がする。
そうなんだ。
曲……か。
曲………
あの時間。
楽しかったな。
また、歌いたい。
?!
俺、今、また歌いたいって思った?
……また…歌えるのか?
歌いたい。
でも、俺はもう……耐えられねぇ。
あいつらには、俺はいらない。
足でまといになるだけだ。
諦めろよ、俺。
早くっ……忘れろ、よ……
嫌だ……
俺は死んだ方が良いんだ。
早く死なないと……
なのに……
なんで、
楽しい思い出ばかり蘇ってくる。
思い出したくない。
俺はもう、あの輪の中には居ないんだから。
いつもとは違うけど、とても優しい神代先輩の声。
いつものように元気な、司先輩の励まし。
何も言わずに背中をさすってくれる、暁山の温かさ。
俺にはまだ……残ってるものがあったのかもしれない。
ーーーーーーーーーー
なんで俺……またここに来たんだろ。
もう来ないと思っていた場所なのに。
……来たくなかったのに。
MEIKOさんはそう言い、俺に何か持たせた。
これ……
俺は、MEIKOさんに渡されたものを握り締めた。






















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。