目の前に置かれた謎の物体を前にして、シルラは困惑していた。
遡ること30分前、
『今日は僕が晩ごはん作ります』
『いいのか?』
『任せてください!』
自信満々にノアは胸を叩いた。
いってきます、と外に出たノアを見送ってから10分が経った頃にノアは帰ってきて、その手には謎の草が大量に握られていた。
(草粥でも作るのか)
ボタンの根本に糸をぐるぐる巻きながらシルラはそう思った。
それから20分程経った頃、
『出来ました、オムライスです!』
ではあの草はなんだったのか、と思いつつテーブルに向かうと、おそらくオムライスとは言えぬ何かが置かれていた。
そして冒頭に戻るのだ。
「あー、これがオムライス、か?」
「はい!体にいいドクダミとゲンノショウコを入れてみました」
にこにこしながらシルラに言う。
(ドクダミは分かるがげんの....?いや待て、何故オムライスに草を入れた?草のおかげで本来黄色くあるべき場所が緑色だが?!いやでも体にいい、と言ったか...?わたしのために入れてくれたのか...?)
悶々と悩むシルラをよそにノアがいただきます、と言って美味しそうにオムライスの成れ果てを口に運んだ。
美味しく出来た、とかなんとか呟いている。
(そうだこいつ薬屋の息子だった)
だからこんなものも美味しく食べられるのか、とひとり頷いて、シルラは戦地に赴く兵士の気持ちでスプーンでオムライスの成れ果てを口に運んだ。
(草の味がする...)
草。紛うことなき草だ。
(変化魔法)
すまない、と思いつつ、味だけ変わるようにこっそりオムライスに魔法をかけた。
これでなんとか食べられる。
魔法が使えてよかった、とシルラは心の底から思った。
次からは絶対、何があってもわたしが作ろう、と決心したシルラだった。
わほい
なんで主人公くん薬屋の息子なん?薬屋のひとりごとやんとかなんとかそれっぽい事を友達に言われたことがあるのですが、全てはこの設定のためでした。
もうこれ番外編でよくない?って感じですね
ははははははははははははははははは












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。