夕食後、これからはわたしが作るからな、とシルラに言われたノアは不思議に思いつつ、ベッドに入った。
魔法を初めて使ったからか、何なのか、とても疲れていたからだ。
それはそうと、ノアにはサラに聞きたいことがあった。
「ねぇサラ、サラは今まで何してたの?」
ベッドの中でノアは己の腕に問うた。
「わらわか?そうじゃな、お前をずっと観察しておった」
いつの間にかサラがノアのベッドの脇にいて、ノアの腕輪は無くなっていた。
「ずっと?飽きないの?」
ずっとは飽きるだろうに。
「おぉ、12年間ずっとじゃ」
楽しそうにサラが言う。
え、とノアは思った。
「12年?」
「お前が生まれた時ぐらいにお前に憑いたからな、
12年じゃ」
長いな、とノアは思った。
(それはそうと)
「あの女子は魔法を使うのに杖が要ると言ったが、杖など今日は使ってないではないか、か?」
サラがノアの心を読んでノアの耳元で囁いた。
赤い菊のイヤリングがノアに触れる。
.........くすぐったい。
「それはちと語弊があるな。
お前らが魔法が使えるのは我ら聖霊がいるおかげ。
人間という魔力を操れん生き物と魔力を繋ぐ媒介みたいなものじゃ。聖霊が憑いていただけでは魔力を操作できんが、聖霊を喚んで杖にすると、媒介としての役割を果たすようになるんじゃ
聖霊が憑いておる人間はそれなりにいるが、魔法を使える者が限られてるのはそういうことじゃ」
ゆっくりとサラは言った。
「じゃあ、ウォーロックには何が憑いているの?」
メイジに聖霊が憑いているならば、同じようにウォーロックにも何か憑いている筈だ。
呪いも元は魔法なのだから。
サラの金色の瞳が少し翳った。
「憑いてる主人が罪を犯したからな、堕天して
—————悪魔になる」
悪魔、か。禍々しい名前———サラには似合わない。
「似合わん、とな。それだけわらわが可愛いと言うことか?」
ふふ、と笑ってサラがノアの方を見ると、ノアが寝息を立てて眠っていた。
サラは柔らかく笑ってノアの額に口付けした。
「おやすみ、私のご主人様」
20話いった!ということで
次回番外編です











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!