あー!心臓のドキドキ止まれ!
別に悪い事しとるわけじゃないし?
久々にロード乗っとるところ見られたら恥ずかしいなって思っとるだけじゃし?
それだけじゃんか、落ち着け!スーハー。
そう言って、あなたの下の名前の事をじーっと見つめている鳴子。
鳴子はニカっと笑いながらそう言った。
照れ隠しで、そういえばそうだったね!走りにいくんだった!なんてゆって誤魔化した。鳴子は、忘れとったんか!ひどっ!酷すぎる!ワイはこんなに楽しみにしとるのに!と言いながらプリプリ怒っている。
うわ!ほんまや!ほなな!と言って鳴子は足早に戻って行った。
あなたの下の名前は鳴子の背中を見送って後、気が抜けて深いため息を吐いた。
嵐が去ったかのように、静かになった場所であなたの下の名前はそっと呟いた。
今年の総北はすごかったらしい、王者箱根学園を退けて優勝したと聞いた。一年生が3人もメンバーに入って。その中に鳴子もいたらしい。
独り言を呟いて、またしばらく空を見ながらぼーっとした後、夕暮れ時が近づいてることに気づき、慌てて芝生で汚れたズボンを叩いて、カラカラと音を立てながら、帰路についた。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。