第2話

2話 〃
326
2023/04/16 12:37
あの後は交番に言って同じ警察官に事情を話したりした

男の人は前々から高齢者ばかりを狙ってスリをしていたらしい

まぁ、(監視カメラ越しに)見たことあるから知ってたけど
あなた
あの...学校があるのでもうそろそろ...
警察
あぁ!そうだね、学校の方には連絡しておくよ
うげ。これ学校で放課後呼び出されるやつだ…今日は視察に行かないとだから忙しいんだけど…

………いや、この警察官、割とポンコt……抜けてる所があるからゴリ押しでなんとか行けるか…?
あなた
いえ、大丈夫です!
警察
え?でもここからだと遅刻すると思うし、こういうことはちゃんと…
あなた
走っていけば間に合います!
警察
お、おぉ...そ、そうか
警察
じゃあ…気をつけて
そう言って警察官は私に向かって敬礼をした。



はは〜...警察官が怪盗に敬礼って前代未聞だな〜...
っていうか、本当に大丈夫だったし……
警察官としてどうなんだよ


そんなことを考えつつも、私も敬礼して個室を出た。

すると、おばあちゃんが目の前の椅子に座っていて、まるで私を待っていたと言うかの様に微笑んだ。
おばあちゃん
聞いたわよ〜、あの男の人、窃盗犯だったのねぇ!
数十分ぶりのおばあちゃんは相も変わらず丸っこい語尾でそう話す。
あなた
あ〜、まぁ...
おばあちゃん
本当にいい子ねぇ〜!
あなた
あ、ありがとうございます...?
あ、あはは〜...何でも良いから早く通してほしいな〜...
おばあちゃん
これはちょっとしたお礼よ!
おばあちゃんはそう言って、財布からざっと一万円札を20枚近く取り出した。
あなた
は...っ!?
あの財布..やけに厚いなって思ったら…!!
あなた
いや!しまってください!大丈夫ですから!
おばあちゃん
私の気が済まないのよ!ね?
あなた
ぅ…ん〜…
流石にこんなお金もらえないし...どうしたものか...



私は少し考える素振りをして、おばあちゃんの鞄を見つめる。



お、いい物あるじゃん


私はニコッというより、ニヤッと笑って口を開く。
あなた
でしたら....
私はそう言いながら一万円札の束を受け取る。

すると、おばあちゃんは満足した様な顔をしながら、何か言葉を発しようとした。

が、私はそれを遮るように左手にある札束を右手で覆っている刹那に飴に変える。
おばあちゃん
まぁ...!!
あなた
お礼はとても甘い貴方の笑顔と飴ということで
あなた
では、お礼はいただきましたので、これで失礼します
私はまるで消えた様にその場から離れた。


、、素でやると恥ずかしいなこれ...
あなた
ていうか間に合わないっ...!?
あなた
はぁはぁ...遅れました...
私は息を切らしながらそう言う。
ni
お〜、お疲れ
あなた
本当、っですよ...
私がそういうと、授業中だった教室は笑いに溢れる。



どこが面白いんだよ...っ、本気で内臓出てきそう...


ni
なんで遅れたんや?
あなた
道端の、おばあちゃん...助けてたら、遅れました
私がそう言うと、さらに教室を笑いに包まれた。
ni
ww
終いには先生まで笑い出す。

が、2.5knを十数分で走ってきた私はそれどころではなく、

先生の笑いに対して抗議する余裕もないので、そのまま先生の所まで行き、職員室前で走り書きしてきた遅刻届を渡した。
あなた
これ、遅刻届なんで……もう座っ、ていい...ですか?
ni
おんww
先生は笑いながらもそう返答する。



無性にムカつくな...


そう思いながらも座りたい欲の方が強い為、大人しく席の方に行き、座る。

ふと隣を見ると、堪えきれない笑いをこぼしている奴がいた。
pkt
...ww
あなた
...くそぴくと
私は隣にいるぴくとにだけ聞こえるような声量でそう呟いた。
pkt
ごめんってw
私に向かってそう言うぴくとは私の幼馴染で、朝、警察に通報してくれた張本人だ。

なので遅れた理由、事情は全て知っている。

コイツの笑いは古典的な遅刻の言い訳(真実だが)をしたという物ではなく、ただ単に皆に笑われている私を、いわば嘲笑っているのだ。

私はやっと落ち着いた息を吐き、もう一度ぴくとにしか聞こえないぐらいの声量で話しかける。
あなた
反省する気があるなら後ろの方の席に座ってる...あの知らない人達の名前教えてくれない?
pkt
あぁ〜、転校生のこと?
あなた
うん
pkt
えっとね〜、金髪の人が提島 孝行こねしま たかゆきさんで、その横の緑のパーカーを着た人が鳥井 希とりい のぞむさんだよ
捏島と…鳥井...


私は無意識にぴくとが言った二つの名前を心の中で復唱した。
あなた
あぁ、見覚えがあると思ったら...そういう事か
pkt
え、なになに?知ってるの?
あなた
知ってるっていうか...さっきの事件の野次馬にあんな奴居たな〜っていうのと...














.
あなた
我々怪盗団の人だな〜って
pkt
…えぇぇ!?!?

プリ小説オーディオドラマ