轟音と共に、地面……否、建物全体が揺れる。
地震かと思えば、揺れの感覚からしてどうやら違うらしい。
すぐさま戦闘体制を取る。
とはいえ、私はサポート役。
圧紘さんの横にぴったり着き、周囲を警戒する。
それと並行して、相棒に弾を込める。
歪んで開かなくなった扉を蹴破り、部屋の外へ出る。
大きな山荘だったはずの建物は、前面が崩れて、青空が広がっていた。
山荘周辺にヒーローが溢れかえっている。
その光景を見て、山荘からの脱出に移る。
そんな会話をしながら、圧紘さんとトガちゃんと固まって走り回る。
名前も知らないプロヒーローに追われて、相棒を使う。
くそ、距離が取れないせいで狙いを定める時間がない。
牽制として数発撃っても、当たらないし怯まない。
プロヒーローの“個性”か。
抵抗も虚しく、よく分からない重たいものに拘束される。
腹立つなぁ、本当。
トゥワイスくんの複製が助けてくれたが、本物のトゥワイスくんは殺された。
複製も、トガちゃんと話して、溶けた。
嘘だろ。
ヒーローは、殺せないはずじゃ。
その掲げた正義で、殺せないはずだったのに。
とんだ誤算だ。
おまけに、ますます背骨が見えなくなった。
トガちゃんは、そのままどこかへ走っていってしまったし、どうしたものか。
いつもの軽い声は、なぜだか出なかった。
そんな会話をしながら逃げ回っていると、御犬様が床を突き破って、地下から出てくる。
圧紘さんと一緒に掴まれて、背中に乗せられた。
トガちゃんも変身を解いて、圧紘さんに服を投げつけられていた。
地上に目を向けると、ヒーロー共がこれを止められずにいる。
向かってきたヒーローに瓦礫をぶつける圧紘さんを横目に、口にする。
道中で御犬様は足止めをされつつも、弔くんの元へ向かっていく。
市街地を轟音を立てて破壊しながら、進み続ける。
ビルやら家やらが、全部簡単に壊されていく。
激しく揺れる背中で、圧紘さんや他のメンバーを支えつつ、そんなことを口にする。
逃げ足といえば私と圧紘さんの取り柄だったが、これには勝てないね。
目的のために地上へ降りようとするトガちゃんのサポートをしつつ、御犬様の背に揺られた。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。