侑くんの言葉の裏にある「夜久くんたちの安否」を突きつけられ、私は絶望的な気持ちで、目の前の白米を小さく一口、食んだ。
拒絶し続けることで彼らが傷つくのなら、食べるしかない。
「……っ、…………」
咀嚼する間も、涙がこぼれそうになるのを必死で堪える。
そんな私の様子を見て、侑くんは一瞬、息を呑んだ。
「――っ、はぁぁぁあ!! サム、見た!? 見た今の!? 小っちゃい口で、ハムって……! めっっっちゃかわええ!! 自分、なんなん? 俺を悶え死にさせる気!?」
侑くんは顔を真っ赤にして、天を仰ぎながらジタバタと畳を叩いた。さっきまでの威圧感はどこへやら、今はただの熱狂的なファンのように騒いでいる。
「……おん。リスみたいやな。もっと食べ。なんぼでも作ったるから」
治くんも、満足げに目を細めて次のおにぎりを準備し始めた。二人のどこか浮かれた空気に、ほんの一瞬だけ、このまま大人しくしていればこれ以上痛い目は合わないのかもしれない……なんて、淡い希望を抱きかけたその時。
不意に、侑くんの騒ぎ声が止まった。
「……でも、今の」
侑くんが、私の頬に添えていた手のひらに、少しだけ力を込める。
さっきまでの熱狂が嘘のように、その瞳から温度が消え、冷ややかな色が混じった。
「夜久くんらのこと思い出して、食べたんやろ? ……面白くないなぁ」
「……っ」
「自分の中に、まだあんな野良猫らがおるんや。……俺らがこれだけ可愛がってあげとんのに、頭の中は他の男のことでいっぱいとか。ほんま、自分は罪な子やなぁ」
侑くんの声は、甘いけれど酷く冷淡で、私の心臓を冷たく撫でた。治くんも、おにぎりを握る手を止め、じっと私を見つめている。
「……ええよ。今はまだ、その『音駒』の残り香で飯食うてても。……でも、ここにおる間に、その思い出ごと全部俺らが塗りつぶしたるから」
侑くんが、私の耳たぶを指先でなぞりながら、獲物を逃さない獣のような目で笑う。
「自分、泣き顔もかわええけど、俺らを見て笑う方がもっとかわええはずや。……な? あなたちゃん」
目の前で笑う双子の影が、まるで私を飲み込もうとする深い闇のように見えた。
あの、、まじでこんぐらい重たい愛を向けられることになるんですけど、大丈夫ですか…??
えーと、、重すぎ??
侑とか北さん、愛が重そうでこうなっちゃうんだけど、
いいですか…??












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。