第22話

①【有栖川帝統 side】
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2025/03/21 22:40 更新
今日は乱数に幻太郎と呼び出しを受けた
飴村乱数

[二人に紹介したい子がいるんだ♪事務所に来てね!]
夢野幻太郎
紹介したい子がいる…と、書いていますが誰なのでしょうかね
有栖川帝統
さぁな〜…まぁ、大体は予測がつくだろ
この間見せてもらった写真の女だろうと、思うが…
有栖川帝統
(あの写真に写ってたのは…アイツなのか?)
あれは、まだ親父とおふくろが一緒に居た時
とある名家の子供と婚約を交わす時の話だ……
その当時は"婚約"なんてよく分からなかった

ただ、デカくなったらソイツと結婚するってことだけが分かっていて、半ば諦めの境地でその女子に会うことになった
有栖川の父親
帝統、こちらのお嬢さんが春鐘家のご息女のあなたさんだ
そう言って会わされたのは儚げな雰囲気の俺と歳が変わらない女子だった
あなた
……初めまして、春鐘あなたと言い…ます
少し伏せた瞼から見える美しいエメラルドグリーンの瞳
あまり日に焼けてないのか白い肌に淡い色の髪色がまるで人形の様に思えた
有栖川帝統
……有栖川、帝統だ、よろしくな
俺がそう言うと美しい瞳が俺の方を見るとあなたは初めて微笑みを浮かべた
あなた
…はい、よろしくお願いいたします
他の同い年とは違うどこか大人びた微笑みに
俺は…………心を奪われた
有栖川帝統
(乱数が持ってた写真に写ってたヤツ…多分アイツだよな)
乱数が持っていた写真に写ったセーラー服を着た少女
…あれは恐らくあなただと、俺の勘が囁いた
有栖川帝統
(でも、世界には似てるヤツが三人は居るって言うし…)
有栖川帝統
(いやでも…あそこまで似てるヤツは居ねぇか)
そう思いながら幻太郎と共に乱数の事務所へと着いた
夢野幻太郎
さて、中へと入りますか?
有栖川帝統
だな〜…そうすっか
そう言いながら乱数の事務所の扉を開ける
有栖川帝統
乱数〜、今日は何の用だ??
夢野幻太郎
帝統、ノックくらいはしましょうよ
中に入ると乱数は誰かの前に立っていて俺達が入ってきた事に気がつくとこちらを振り向いた
飴村乱数
あ、来た来た!!
二人共いらっしゃーい!!
飴村乱数
はい!この子が僕の可愛いあなたちゃんだよ♪
そう言いながらその人物の前から退くとそこには幸薄そうな女性……いや、今、確信した
有栖川帝統
(おいおい……マジかよ)
そこに居たのは───────俺の想い人のあなただった
どうやら、あちらも気付いてるらしく
俺の方をジッとあの美しいエメラルドグリーンの瞳で見つめてきた
夢野幻太郎
おや、写真でお顔は知っていましたが…確かに可愛らしい方ですね
初めまして、小生は夢野幻太郎と申します
幻太郎がそう自己紹介をするとあなたの瞳が少しだけ輝いた
あなた
夢野…あ、もしかしてあの人気小説家の夢野先生ですか?
……そう言えば、あなたは本を読むのが好きだって言ってたっけか?懐かしいな
夢野幻太郎
おや、存じ上げてくれてましたか
あなた
はい、先生の本はとても面白くって世界観がとても好きなんです
そう言いながらあなたはあの時から変わらない優しい微笑みを浮かべた
夢野幻太郎
それはそれは…ありがとうございます
その微笑みに少し見惚れてしまったが、俺はやっと声を出した
有栖川帝統
……お前、まさかあなたか?
とりあえず、確認をしたかった
本当に俺の知っているあなたなのかを……
すると、俺のその言葉にあなたは反応して
再び優しい微笑みを浮かべた
あなた
もしかして……帝統君?
その言葉に俺は息を詰まらせた
……また、その声で俺の名前を呼んでくれることに胸がいっぱいになった
有栖川帝統
……マジかよ、本当にお前なのか?
あなた
ふふっ、久しぶりだね〜
……小学校の低学年以来かな?
有栖川帝統
ぐらいか?……懐かしすぎるだろ
あまりにも嬉しすぎて俺はあなたの前に膝を着いて腰に手を回して抱きついた
あなたは嫌がる素振りもなく、俺の頭を優しく撫でてくれた
……この、優しい花の様な香りもあの頃から変わらない
俺の、好きな香りのままだ
そう思ってると背中の服を誰かが掴んだ
少しだけ振り向くとそこには少し怒った表情の乱数がいた
飴村乱数
ちょっとちょっと!何やってるの帝統!?
てか、二人共知り合いなの!?
……なんだ、あなたのヤツ
俺との事を乱数には言ってないのか?
あなた
知り合いっていうか……元婚約者?的な感じかな
飴村乱数
……は?元……こ、んやく……しゃ??
俺は乱数が掴んでいる服を振りほどいて、あなたの隣へと座り直した
有栖川帝統
まぁ…そうなるな
あなたとは小学校の頃に婚約者として過ごしてた期間がある
夢野幻太郎
……おや、そうだったんですか?
あなた
と、言っても……私と過ごした時間はかなり少ないよね
有栖川帝統
だな……大体半年ぐらいだったか?
あなた
うーん…大体それくらいだったかな?
有栖川帝統
つっても、殆どらしいことした事ねぇよな
あなた
そうだねぇ……親同士の決め事的な感じだったしね
その半年は俺にとって色鮮やかな半年となったのはきっと、あなたは思ってねぇんだろうな

らしくねぇ事も、その半年だけだがやっていた
飴村乱数
まさか、ヨリを戻すなんて言わないよね…?
そう言う乱数の表情はなんとも言えない表情をしていた
そんなあなたは少しだけ呆れた様な表情を浮かべた
あなた
まさかぁ〜、さっきも言った通り親同士の決め事なだけ
私に好きな人は居ないし…帝統君にはもっと素敵な人がいるよ
……相変わらずコイツは自己肯定感が低い
まぁ、親にあれだけ・・・・抑圧されてたらそうなるか
すると、乱数はあからさまにホッとした表情を浮かべた
飴村乱数
よかったぁ〜…こんなギャンブラーにあなたの事は任せられないからねぇ〜
………まぁ、親代りである寂雷に認めて貰えないだろうしね
夢野幻太郎
…確かに、もしお付き合いするとなると
最大の防壁は神宮寺寂雷になるわけですか
有栖川帝統
げっ、そうなんのかよぉ…
元々春鐘家のお嬢様で神宮寺寂雷の親戚
それでもって性格良し、器量良し、今はあれだが元々の運動能力もソコソコある、家事も出来るし……かなりの好物件だ
そうか……あなたは今は神宮寺寂雷の所で世話になってるのか
んでもって、もしそういう関係になれたとしてもあの神宮寺寂雷を何とかして説得しねぇとなんねぇのか
有栖川帝統
(他の男が知ったら目の色を変えて迫った所で……乱数や他のディビジョンリーダー達の盾もある)
有栖川帝統
(それはそれで……かなり厄介だな)
そんな事を考えているとあなたが俺の方を向いて微笑みを浮かべた
あなた
…でも、まさか帝統君に会えるとは思ってなかったよ
あなた
とっても嬉しいよ?昔馴染み会えるのはさ
その微笑みはとても嬉しそうで、心の底から会えた事を喜んでいる様に見えた

……いや、こいつの事だからきっとそうなのだろう
有栖川帝統
────…俺も、お前に会えてすっげぇ嬉しいぜ!!
あなた
……ふふっ、帝統君が楽しそうでよかったよ
"楽しい"?……あぁ、これからもっと楽しくなるぜ
有栖川帝統
(お前のおかげでなんて…………口が裂けても言えねぇけどな)

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