第4話

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2025/12/14 02:54 更新
 もしゃもしゃ。
 もしゃもしゃもしゃ。
 僕は、草を食べていた。
 なんでかって?決まってるさ!
 暇、DA・KA・RA、だよ!
 自分がスライムだと、嫌々ながらも認めてから結構な日にちが経ったと思う。何日経過したのかまではわからないけど……。何しろ、暗闇では時間の感覚が全くないのだ。
 その日々で実感したのだが、スライムの身体というのは思ったよりも便利だった。お腹も減らなければ、眠くもならない。つまり、食事も睡眠も不要なのだ。
 もう一つ判明したことがある。
 この場所には不確かながらも、他に生物はいないようなのだ。お陰で、命の危険を感じることもない訳で……。ただただ、暇な毎日を送っていた。
 この間、あの変な声も聞こえなかった。今なら相手してもいいんだけど。
 で、仕方なしに草を食べている。
 他に出来る事が何もないのだから、仕方ない。暇つぶし感覚で食べているのだ。
 今では、吸収した草が体内で分解され、成分がより分けられて蓄積されていく様子が、感覚でわかるまでになった。
 そこに何の意味があるかと問われれば、意味はないのだが。
 何かをしていないと狂ってしまいそうで、怖かっただけだ。
 ここ最近で慣れてしまった、吸収・分解・収納を繰り返す。
 ここで不思議な点があった。
 今まで一度も排泄行為をしていないのだ。
 スライムだから必要ないと言えばそれまでだが、では、この収納されたモノはどこに行ったのだろう?
 感覚では、元の形態から変化しているようには感じない。
 どうなっているんだ?
大賢者
《解。ユニークスキル『捕食者』の胃袋に収納されています。尚、現在の空間使用量は一%未満です》
 なんだと?返事キターーー!!
 しかし、いつの間にスキル使用したんだ?NO!と答えたはずなのに。
大賢者
《解。ユニークスキル『捕食者』は使用されておりません。体内に取り込まれた物質は、自動で胃袋に収納される設定になっています。これは任意で変更可能です》
 なんだと?今度は返事がスムーズにきたな。いや、それは置いといて……。
 という事は、スキルを使用すると、どうなるんだ?
大賢者
《解。ユニークスキル『捕食者』の効果――

捕食:対象を体内に取り込む。ただし、対象に意識が存在する場合、成功の確率は大幅に減少。効果の対象は、有機物・無機物に限らず、スキル・魔法にも及ぶ。

解析:取り込んだ対象を解析・研究する。作成可能アイテムを創造。物質が揃っている場合、コピーを作成することも可能。術式の解析に成功すると、対象のスキル・魔法の習得が可能。

胃袋:捕食対象を収納する。また、解析により作成された物質の保管も可能。胃袋に収納されると時間効果が及ばない。

擬態:取り込んだ対象を再現し、同等の能力を行使可能。ただし、情報の解析に成功した対象に限る。

隔離:解析の及ばない有害な効果を収納する。無害化を行い、魔力に還元。

以上の五つが主な能力です》
 え?……え?
 久々に動揺した。何か、凄い能力に聞こえたぞ……。決して、スライム如きかわ所有していい能力ではないような。
 待って、それ以前に僕の質問に答えてくれる声、これはなんだ?誰かいるのか?
大賢者
《解。ユニークスキル『大賢者』の効果です。能力が定着した為、反応を速やかに行うことが可能となりました。》
 大賢者か……。馬鹿にされてるのかと嘆いていたが、今となっては頼もしい。これからも頼りにさせて貰おう。
 というか、この際なんだっていい。
 この果てのないと思われた孤独が癒されるのなら。
 もしかしたらこの"声"は、俺の創り出した幻聴なのかもしれない。でもそれでもいい。
 僕は、久しぶりに自分の心が軽くなったのを実感したのだった。

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