もしゃもしゃ。
もしゃもしゃもしゃ。
僕は、草を食べていた。
なんでかって?決まってるさ!
暇、DA・KA・RA、だよ!
自分がスライムだと、嫌々ながらも認めてから結構な日にちが経ったと思う。何日経過したのかまではわからないけど……。何しろ、暗闇では時間の感覚が全くないのだ。
その日々で実感したのだが、スライムの身体というのは思ったよりも便利だった。お腹も減らなければ、眠くもならない。つまり、食事も睡眠も不要なのだ。
もう一つ判明したことがある。
この場所には不確かながらも、他に生物はいないようなのだ。お陰で、命の危険を感じることもない訳で……。ただただ、暇な毎日を送っていた。
この間、あの変な声も聞こえなかった。今なら相手してもいいんだけど。
で、仕方なしに草を食べている。
他に出来る事が何もないのだから、仕方ない。暇つぶし感覚で食べているのだ。
今では、吸収した草が体内で分解され、成分がより分けられて蓄積されていく様子が、感覚でわかるまでになった。
そこに何の意味があるかと問われれば、意味はないのだが。
何かをしていないと狂ってしまいそうで、怖かっただけだ。
ここ最近で慣れてしまった、吸収・分解・収納を繰り返す。
ここで不思議な点があった。
今まで一度も排泄行為をしていないのだ。
スライムだから必要ないと言えばそれまでだが、では、この収納されたモノはどこに行ったのだろう?
感覚では、元の形態から変化しているようには感じない。
どうなっているんだ?
なんだと?返事キターーー!!
しかし、いつの間にスキル使用したんだ?NO!と答えたはずなのに。
なんだと?今度は返事がスムーズにきたな。いや、それは置いといて……。
という事は、スキルを使用すると、どうなるんだ?
え?……え?
久々に動揺した。何か、凄い能力に聞こえたぞ……。決して、スライム如きかわ所有していい能力ではないような。
待って、それ以前に僕の質問に答えてくれる声、これはなんだ?誰かいるのか?
大賢者か……。馬鹿にされてるのかと嘆いていたが、今となっては頼もしい。これからも頼りにさせて貰おう。
というか、この際なんだっていい。
この果てのないと思われた孤独が癒されるのなら。
もしかしたらこの"声"は、俺の創り出した幻聴なのかもしれない。でもそれでもいい。
僕は、久しぶりに自分の心が軽くなったのを実感したのだった。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。