第11話

世界の日常と非日常【1】
92
2025/09/15 12:00 更新
あなた Said
ある日の夜。


夕食を終えたあと、ソファに並んで座っていた。

テレビはついているけれど、二人とも画面は見ていなくて、ただ並んでいるだけで心地いい時間が流れている。
あなた
ねぇ、あなたの叶さんの呼び方
ふと声をあげると、彼は隣で持っていたスマホから顔を上げた。
Kanae
ん、どうした?

あなた
旅行、行きたいなって思ってて
少し照れくさそうに言うと、彼の目がぱっと輝いた。
Kanae
旅行? いいじゃん。どこ行きたいの?
あなた
うーん…ゆっくりできるところ。できれば温泉旅館とか…
Kanae
お、いいね。温泉かぁ、久しぶりかも
彼は楽しそうにして、スマホをテーブルに置いた。
Kanae
じゃあ、どうせなら部屋に温泉がついてるとこにしない?
あなた
部屋に?
Kanae
そう、大浴場だと疲れちゃうでしょ
あなた
…贅沢すぎない?
Kanae
いいんだよ。せっかく二人で行くんだから。僕、あなたの下の名前とならどこでも楽しいけど、特別感がある方が思い出に残るでしょ?
さらりと甘いことを言う彼に、思わず笑ってしまう。
あなた
そういうとこ…ほんとずるい
Kanae
ふふ、褒め言葉として受け取っとく
私達はスマホを手に取り、すぐに検索を始める。
Kanae
えっと…あ、ここどう? 部屋に温泉ついてて、ご飯も部屋食。仲居さんが運んできてくれるやつ
あなた
わ、すご…。めっちゃいいじゃん。
Kanae
でしょ? あとは夜に浴衣でのんびりして……ふふ、絶対楽しい
私の胸に期待とわくわくがふくらんでいく。
Kanae
じゃあ、そこにしようか
あなた
決まり!

彼は満足そうにスマホを閉じて、私の肩に頭を預ける。

Kanae
楽しみだなぁ。あなたの下の名前と一緒に旅行なんて……絶対幸せじゃん


私も自然と笑みを浮かべて、叶の頭を撫でた。

二人の間に広がるのは、ただただ穏やかで甘い未来の景色。



それを想像するだけで、胸の奥が温かくなった。














短くてすいません。いつも1000字以上書いてるけど、今日700字でした。

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