第6話

141
2024/05/05 10:00
~ないこside~
ないこ
らんらん~?
屋上に行くまでの間にすれ違わないように、」らんらん」と言いながら進んで行った。
反応が無いことから恐らく屋上にいるのかな、そう思ってたら屋上の扉の前まで着いた。
少しだけ誰かの喋り声が聞こえてきた気がした。
らんらんが1人で喋っているのか、或いは別の誰かが先に来ていてその人と喋っているのか。
どちらにしろ誰かは居るということが分かったから扉を開けた。
ないこ
....!!
扉を開けたらそこには見知った2人の人物が居た。
1人は先程まで探していたらんらん。
そしてもう1人は、______














_____妹のあなただった。
桃瀬 らん
......!!
あなた
!!
2人とも、扉が開いたのに気づいたのか喋るのを辞めてこちらを見て驚いていた。
桃瀬 らん
俺、休憩しすぎましたかね!?(同時)
あなた
なんでここに、______(同時)














桃瀬 らん
ないこさん!(同時)
あなた
兄さん......(同時)
2人とも同時に喋っていて少し面白かったが、
ないこ
らんらんが遅すぎて屋上に来ちゃったよ~(笑)
ないこ
でも、あなたが居るって珍しいよね
ないこ
なんかあった?
それぞれに声を掛けた。
あなたはこの時間はまだ家にいるはず.......
特に用事もないと思うから何かあったのか、そう考えているとらんらんが気遣ったのか
桃瀬 らん
あ!俺、先に戻ってますね!
そう言って、小走りで屋上から出ていった。
そしてあなたと2人きりになった。
何か話そうと思い口を開こうとすると、あなたが先に口を開きこう言った。
あなた
ごめん。
そう3文字だけ言って俺の横を通り過ぎて行こうとした。
でも、途中で歩く音が聞こえなくなった。














俺があなたの手を掴んでいたからだ。
ないこ
待って!
あなた
......離して.....
俺が呼び止めると不機嫌そうにあなたは返事をした。
ないこ
なんであなたはこんな時間に学校に?
あなた
......早く学校に行って勉強しようと思った。
ないこ
家でも出来るのに?
あなた
.......学校の方が集中出来るから
ないこ
こんな早い時間から?
あなた
.....別に、勝手でしょ
あなた
私が何時、何処で何をしようと兄さんには関係ない。
俺が質問を投げ掛けると少し間はあるがしっかりと返してくれた。
ただ、何時もとあなたの様子は違っているように見えた。
ないこ
(いや、違うな。)
何時もの裏の気持ちが何かあったことにより表に出たのかもしれない。
そもそもあなたは何時から笑顔が消えたんだろう。
中1の嵌められた時からか?
嫌、______













______嵌められる前からずっと偽りの笑顔だったな。
本当の笑顔を最後に見たのは小学生に入るよりも前か。

プリ小説オーディオドラマ