まだ暖かいその飴を握りしめながら
私は寮の部屋へと足を弾ませた。
それからというもの、
毎夜毎晩その飴を眺めては、ニヤニヤしている。
何度も触れられた包み紙は
今やもうクチャクチャになってしまった。
使ってやりたい人などいなくて…
思い付いてしまった。
自分で食べればいいんだ。
頑張って話しかけて手に入れたこの飴、
誰かにあげるなんてもったいない。
そう思って、毎日こねくり回したそれを
口にほおりこんだ。
しばらく口の中で転がしてみたが、
急に吐き気を催し、
次の瞬間には
喉の奥から紫色の太長いものが伸びてきた。
きっと私の舌だろう。
だってベロベロ飴だし。
体調は悪くなる一方だが、
少しワクワクしている自分がいる。
憧れのウィーズリー製品を体験できて、
素晴らしい気分だ。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!