第3話

〜 Vanpaia 〜
1,062
2022/06/30 14:24









あいつらがいなくなってから、何年経ったんだろう。






俺はひとり、世界の裏側で旅をしていた。
世界の裏側。ここには、表側に居られなくなったしゅが辿り着く場所。
表側は人間たちの楽園。人間たちのせいでいられなくなったもの達がここに集う。幻想種が大抵の割合を占める。
俺たち吸血鬼も、そのひとつだ。
人間のせいで世界から追いやられた。


俺たち吸血鬼は、11人しか残らなかった。

吸血鬼と言っても、俺たちは血を吸わない『真祖』と呼ばれる類の種だ。
血を吸うことも出来るが、生きるためには不必要なものだ。


俺たちは基本何も食べないし何も飲まない。
それで生きていられるから、俺たちは死なない。




死なないはずだった。





表側の異常は俺たち裏側に住むもの達にも影響を受けた。


…これは、呪いの類だろうか…?

次々と幻想種が死んでいく。

その謎を解明すべく、俺の仲間も何人か表側に行こうとした。
…しかし、表側に行くのはほぼ不可能だ。


何故なら抑止力があるから。
抑止力は、人類を存続させる力を持つアラヤと、星を存続させる力を持つガイアのふたつがある。

人類を脅かす存在は、抑止力によって消される。
俺たち吸血鬼は、その類のものだと星から認識されている。


…ふざけてるよな。追いやられたのはこっちだっていうのに。


俺の仲間はその抑止力によって消されたものもいれば、表側の呪いにやられた者もいる。

何故俺だけ生き残ったのかは分からない。





…ここにいるのはもうやめよう。

俺はこの世界の裏側を旅することにした。





ここまで読んで下さってありがとうございます。


今更ですが、この物語の主人公はねろちゃんです。多分皆さん知ってたと思いますが。


それではまた。

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