第33話

◇✡︎ 至上主義 ✡︎◇
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2025/02/13 06:38 更新





少しずつ雨が降り出す黄昏時。
MMNTのアジトも、しとしと、と降る雫に包まれて。
しかし、静寂…には包まれていない。
あの過去話から1ヶ月、今日は7月の中旬。
アジト内部では、最近の他組織の行動について情報交換が行われていた。












めめんともり
…それで、彼らが遂に巻き込みました
めめんともり
『一般人』を。
ルカ
っは…?
めめんともり
犯行は我々と異なる思想を持つ組織
めめんともり
The 𝗇𝖾𝗐 order
Revolution of the
Most
Capable
通称TRMCによるものです
みぞれ
…巻き込まれたのは…何人、ですか
めめんともり
ここ1ヶ月で30人ほどです
ヒナ
え、多くない…?
Sレイマリ
一日に1人は死んでるってこと…?











TRMC。ざっくり言えば、
『最も有能な能力者による新秩序革命』だろうか。
一般人は巻き込まず自分たちのみで革命を目指すMMNTと対局で、
一般人を犠牲にしてでも目的の思想を叶える能力至上主義者の集団だ。
名前自体はMMNT程知れ渡っているわけではない。
ただ、近年の行動は看過できないものが多く、
要注意とマークしていた組織でもある。











めめんともり
TRMCのリーダーは『ヨイノミヤ』
めめんともり
その他の詳細は不明です
めめんともり
私たちと同じく能力者集団であることしか分かっていません
メテヲ
あいつらも結構昔からあるし
メテヲ
メンバー構成とか熟練度も変わってると思う










TRMCは、MMNTの半分ほどの歴史がある。
MMNTは初期メンバーが創設してから14年。
現メンバー全加入から数えれば3年。
TRMCは創設から7年程度だ。
能力者こそ世界の頂点と考える彼らなら、
7年の間に人数を増やしていても何らおかしくない。














東京の山奥にあるMMNTの拠点に対し、
大阪の郊外、森の中。そこにTRMCの拠点はあった。
建物でいちばん大きなその部屋。
薄く付いた電気は、その中で話す2人を照らす。
 















???
…ヨイノミヤ、やはり
ヨイノミヤ
だから言っただろう?
ヨイノミヤ
リーダーならすぐに気付くと
???
1か月ほど様子見されてたようですが
ヨイノミヤ
1か月なら大差ないさ
ヨイノミヤ
…『酔桜すいおう』よ











酔桜、と呼ばれた彼女は答えない。

話の続きを待っているのだろうか、端麗な顔立ちでありながら無表情だ。







ヨイノミヤ
この世界に足りないのは何だと思う?
酔桜
……そうですね
酔桜
大戦を防げる程の強い権力者
酔桜
なのではないでしょうか






少し考えながらも彼女は淡々と答える。
その返答に、ヨイノミヤは含み笑いで言った。







ヨイノミヤ
それもそうだ
ヨイノミヤ
ただ、私は違うと思うんだよ
酔桜
…と言うと?
ヨイノミヤ
能力者が権力者になるのは大切だ
ヨイノミヤ
しかし、それには欠点がある
ヨイノミヤ
そこに至るまで、過程が長く大変なのだよ
酔桜
具体的には?
ヨイノミヤ
能力者の存在は公になっていない
ヨイノミヤ
そのまま権力者になれば、能力を持たない一般人に人数不利で負けてしまう
ヨイノミヤ
それは分かるね?







彼は若干の圧をかけるようにして問う。
酔桜はそれに動じない。
 







酔桜
はい
ヨイノミヤ
一般人などいらない
ヨイノミヤ
日本だけじゃない、能力者だけの世界を作ることが必要だ
酔桜
…結構ぶっ飛んでますね
ヨイノミヤ
褒め言葉かい?
酔桜
いえ別に






酔桜が『ぶっ飛んでる』と言ったのも妥当だ。
何せ、能力者は主に日本人だ。
大戦の主な戦場も日本だったので、他国に比べて被害が甚大なのだ。
外国人の能力者もいるにはいる。
ただし、大戦で減った残りの人口は今や40億人。
それを更に減らす、しかもほぼ日本人と来たら
相当な時間がかかるだろう。







ヨイノミヤ
いや、策があるんだ
酔桜
それは?
ヨイノミヤ
────────









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