悠太side
俺の告白に答える彼女の声を聞いた時、冗談じゃなくて頭が一瞬真っ白になった。
そして、一泊遅れて嬉しさがこみ上げてきた。
まさか、俺の初恋が叶うなんて。
それも、一目惚れのね。
—————————
高校生活登校初日。
俺は、緊張からかとても早い時間に教室へ到着してしまった。
ちゃんと真面目に見えているかな?
不良っぽいとか思われてない?
俺の頭の中はそんな不安でいっぱい。
高校生になって、中学の友達とも別れるから、心機一転再出発を切ろうと決めた。
俺は、頑張るんだ。
静かな決意を胸の中で燃やしながら、俺は席に着いた。
やっと、準備が整ったというところでガラッとドアの開く音がした。
俺の体は緊張にこわばる。
顔を上げて見ると、その正体は女の子だった。
三つ編みのおさげという地味な格好ながらも、顔の一つ一つのパーツから愛らしさが感じられる。
可愛い。
彼女は自分の席に行くかと思ったのだが、、、
彼女の華奢で細い脚は自分席に行くより先に俺の方へ向いた。
え!?
やっぱり、イメチェン失敗?
どう言い訳しようかと俺が頭をフル回転させていると、俺の目の前まで歩いてきた彼女は言った。
そう笑いながら言った彼女――沢田さんは、握手を求めて手を差し出した。
その時の笑った顔が可愛くて・・・
前髪がかかっていてよく見えなかったところも沢田さんが動いた勢いで、ちらりと見えた。
美形だなぁ、、、
彼女の笑った顔が瞼の裏に焼き付いて離れなくて、、、。
と、そっけなく手を差し出すことしかできなかった。
ちょっとは愛想よくしたんだから、許してほしい。
沢田さんは、俺の差し出した手を取って握手をする。
何をしても可愛い。
彼女は、俺の手を思いのほか大きく振っていたようで、それに気づくと赤面し、小さく「ごめんなさい」と言った。
彼女と話し終えてはじめて自分の恋心を理解した。
初恋で一目惚れって、、、
俺は無駄に計算が得意な頭でフラれる確率を計算する。
その数値は変わらない、これからも変わることはないだろう。
でも、沢田さんが毎日挨拶したりさりげなく優しさを見せるのも悪いと思う。
そんなことされたら、俺だって勘違いしちゃうから。
俺の恋は叶わなくていいや。
卒業まで、一緒に居れたらそれでいい。
——————————
そう思っていたのに。
俺、ラッキーだな、、、
こうなると、神に感謝せざるを得ない。
俺は基本的に神は信じないタイプなのだが。
そんなことを考えながら、隣ですぅすぅと可愛い寝息を立てている俺の彼女を見た。
俺達は今、絶賛お家デート中。
なんだけど、、、
男の家に来て、寝るって、、、
無防備すぎでしょ、、、
彼女の無自覚さ加減に半ば呆れる。
先が思いやられるなぁ、、、。
まぁ、可愛いからいっか。
俺にこう思わせてしまう彼女はどこまでもずるい。
本当に、彼女の可愛さに気づかない男共は馬鹿だと思う。
まぁ、一生気付かなくていいんだけど。
俺は、彼女の頭をなでながら囁いた。
俺の言葉に反応して、むくりと起き上がる華菜ちゃん。
言葉の意味は理解してないだろうけど、、、。
彼女なんだからいいでしょ。
下の名前で呼んでも。
こんな些細な言葉でも赤面する彼女――華菜ちゃんは最高に可愛い。
あれ、俺ってこんなに独占欲強かったっけ?
思わず漏れてしまった言葉は俺の本心だ。
俺は一生この無自覚小悪魔ちゃんに振り回される運命なのだろう。
☆一目惚れの行方、END★










![mrpkかっこいい担当、可愛いよ![完]](https://novel-img-gcs.prepics-cdn.com/prcmnovel-tokyo-prod-converted-images/p/9b8018e114c3859366c676d6e87f46f011e7889d/cover/01HYFZ9FZAA1VVJSQQZAE15P3K_resized_240x340.jpg)



編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。