第7話

どんな君でも王子様なことに変わりはない
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2021/06/21 08:43 更新
華菜side


この某クラスメイトが篠原君が写っていると思われる写真を提示すると、見て見ぬふりで様子を伺っていた他のクラスメイト達が野次馬のように集まってきた。



そして、口々に篠原君に対しての悪口を言っていく。
それも、本人の目の前で。


「失望した」とか、「王子なんかじゃねぇじゃん」、とか。
主に男子。
嫉妬とかもあるんだろうけど・・・


みんな、酷いよ。
写真一つでこんなにも態度が変わっちゃうの・・・?

今は、委員会の仕事でほとんどの女子がいないけど、女の子もいたら、みんなそんなこと言うの?



その間も、篠原君は怒るでも止めるでもおなく、その場にいる。
でも、その顔からは、はっきりとした嫌悪と、うっすらとした悲しさが読み取れる。


篠原君・・・




とにかく、この場を収めなきゃ。

私の頭の中には、こればかりだった。


沢田華菜
沢田華菜
もうすぐ先生来ちゃうんじゃ・・・
先生が来たら、ここにいる生徒たちも席に着く他ないだろう。


しばらくすれば、ほとぼりも冷めるに違いない。
クラスメイト
クラスメイト
今日の一時間目は自習よ
さっきの女の子が吐き捨てるように教えてくれた。

篠原君に嫌われたことがよっぽど悲しかったのか、目を赤く腫らしている。




えぇ・・・





私が焦りを募らせる間にも、クラスメイト達の言葉は止まらない。


篠原君を見れば、悔しそうに口元を歪めている。





私はもう一度、写真に目を戻した。

さっきはあまりよく見れなかったけれど、美形は相変わらず。
それに加えて、輝くような金髪が揺れていて、むしろ今よりカッコいいくらいだ。






なんでいじめられなくちゃならないの?

私の中には、疑問と共に、はっきりとした怒りが生まれる。


これは、篠原君がどう思っていようと、大切な人生のワンシーンなのだろう。
青春の、、、。

篠原君を語る上で、欠かすことのできない1ページであるに違いない。

それが伝わってくるから、余計に許せない。




でも、同時に気付いてしまった。


なんで、私、自分は関わろうとしなかったの?
そんなの卑怯だよ。



私は逃げているだけだ。







情けない自分への怒りか、はたまた、写真を見て馬鹿にする人たちに対しての怒りなのか・・・
何が私を突き動かしたのかは分からない。





とにかく私は、写真を見せた男の子の襟元をつかんでいたのだ。
沢田華菜
沢田華菜
篠原君は、カッコいいです!
馬鹿にしないで!
沢田華菜
沢田華菜
あなたに、馬鹿にされる筋合いない!!
人生でこんなにも怒りを覚えたのは初めて。
クラスメイト
クラスメイト
お、おう。
そう、返事をした男の子は、そろりと写真をしまった。







あ。

やってしまった。



あれ、私いじめられちゃうかな?


なんで、、、視界、歪んでく。




篠原悠太
篠原悠太
ありがとう、沢田さん。
篠原君のその顔は、王子様スマイルなことに違いはなかったけど、その目尻に少しだけ、光るものが見えた。


沢田華菜
沢田華菜
はい・・・。
そっか。

私、篠原君のことが好きだったんだ。


そんな簡単な事実が分からなかったなんて私は大馬鹿だ。



最近、君のことばっかり考えちゃうのも、痺れるような甘い胸の痛みも、全部、全部、恋のせいだったんだね。

こんなに短い期間で、君に惚れちゃうなんて、、、

君はすごいね。




やっぱり、王子様だ。





私が叶うはずのない恋情に思いを馳せていると、思いっきり扉が開いた。
東城唯
東城唯
男子、何やってるの、、、?
嶋田理沙
嶋田理沙
そりゃあ、沢田さんも怒るでしょうよ
間宮琴
間宮琴
覚悟、出来てるよね??
それは、唯ちゃん率いる女子軍団だった。


東城唯
東城唯
てゆーか、篠原君は金髪でもカッコいいから!
間宮琴
間宮琴
そうだよ?
クラスメイト
クラスメイト
えぇ・・・
そういうものなの・・・?
女子の圧力に、男子たちが気圧されている。




私が男子と女子の戦いにあっけに取られていると、左肩を軽くたたかれた。
篠原悠太
篠原悠太
沢田さん、2人で抜けない?
篠原君が、少しボリュームを落とした声で言う。


その顔は、少年のように輝いていた。


こんな顔するんだ・・・
沢田華菜
沢田華菜
うん!
私は、無意識のうちに頷いていた。

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