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第27話

27時間目
265
2021/01/28 00:26
翌日。京都を観光しながらお土産を買うことになった。
お土産屋のおじちゃん
お土産屋のおじちゃん
お、君たち修学旅行生か?試食だ、良かったら食え!
茅野カエデ
茅野カエデ
ほんと!?おじさん、やっさしー!
そう言って渡されたのはおまんじゅう。喜んで皆で手に取り、食べる。
赤羽 カルマ
赤羽 カルマ
ん?あれ?あなたって甘いの苦手って言ってなかったっけ?
茅野カエデ
茅野カエデ
えっ、そうなの!?
あなた

そんな事ないけど…誰情報?

赤羽 カルマ
赤羽 カルマ
きのu…んー、いや、なんでもないや。
あちらこちらのお店を回って、15分だけこの当たりのお店を自由にまわる個別行動にしようと言う話になり、私は最初のお店に向かった。何故かカルマくんが付いてくる。さっきの意味深な感じ、気になる…
赤羽 カルマ
赤羽 カルマ
昨日、レモン煮オレ飲む?って聞いたの、覚えてない?
突然なんの話しだろう。昨日?昨日は誘拐されたからそんなに平和な話はしてないと思うけど…
赤羽 カルマ
赤羽 カルマ
旅館。殺せんせーを皆が追いかけてる騒ぎの中。
あなた

あっ。

思い出した。カルマくんの浴衣姿、かっこいいなぁと思ったのが思わず口から出そうになって、誤魔化すためにレモン煮オレに話を振った。その後、飲みかけを飲むかって聞かれて私は…甘いのが苦手だと断った。
赤羽 カルマ
赤羽 カルマ
で?本当は甘いの好きなんだ。美味しそうにあっちこっちで試食してたもんね。
じゃあ、なんでレモン煮オレ飲まなかったの?言いにくい理由でもある?今度はレモンが嫌いとでも言い訳してみる?さっきレモンティー飲んでるの見たよ?
悪魔だ…ここに赤い悪魔がいる…
あなた

飲みかけだから、だよ…

顔が熱い。
赤羽 カルマ
赤羽 カルマ
ふーん?意識しちゃったんだ?
あなた

そりゃあしないことはなかったよ。

赤羽 カルマ
赤羽 カルマ
素直じゃないねー。あ、レジ次じゃん。じゃーねー。
お前、このためだけに付いてきたのか?暇だな。まだ顔の熱は引かない。
帰りの電車内。カエデちゃんが京都限定味の紙パックジュースを飲んでいた。飲んでみる?と聞くので、一瞬目の前のカルマくんを見たあと…好奇心が勝ってしまった。1口飲む。別段美味しいとは感じなかった。にやにやした赤髪が気になってしまったから、と言うのもあるだろう。
茅野カエデ
茅野カエデ
あ、カルマくんも飲む?
そのままカエデちゃんがカルマくんに差し出す。普段は意識しないことだけれど、あんな話をした後だからか何故か意識してしまう。カルマくんはさっきよりもニヤッと笑って
赤羽 カルマ
赤羽 カルマ
じゃあ貰おうかな。
そう言った。その場面を正面向かって見ていられなくて私は立ち上がる。
あなた

飲み物、買ってくる。

連結部分に付くと、暑くなった顔を手の甲で冷やしながら蹲る。落ち着いてきてから立ち上がり、飲み物を買おうとしたところで気がついた。
あなた

財布忘れた…。

ため息をつく。いくら何でも慌てすぎだろう。

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