戦闘から数時間後
基地の喧騒は落ち着いていた
負傷者の対応も一段落し、
外の修復作業の音も、少しずつ遠ざかっていく
その中で
コンタミは――
医療センターにいた
白い部屋
無機質な壁
消毒の匂い
静かすぎる空間
窓から差し込む光は、もう夕方に近い色をしている
柔らかいオレンジ
時間が経ったことを、ゆっくりと教えてくる
コンタミはベッドに座っていた
背もたれに軽く寄りかかりながら
視線は――
自分の手
じっと見つめている
その手は、もう震えていない
だが
感覚だけは残っていた
あの時の
制御を失った力
暴れる水
止まらない触手
そして――
仲間に向いた攻撃
胸の奥が、重くなる
消えない
完全には
カチャ
扉が開く
足音
聞き慣れた気配
顔を上げると
そこにいた
らっだぁ
みどり
金豚きょー
レウクラウド
いつものメンバー
変わらない顔
それだけで
少しだけ、肩の力が抜ける
レウクラウドが一歩前に出る
表情は柔らかい
コンタミは小さく頷く
少しの間を置いてから
レウクラウドは手をかざす
回復魔法
淡い光が広がる
優しく
包み込むように
傷を癒やすだけではない
心のざわつきも、少しだけ静めていく
コンタミの呼吸が、ゆっくりになる
胸の奥の圧迫感が、ほんの少し軽くなる
数秒
誰も話さない
だが、気まずくはなかった
ただ、待っている
コンタミが話すのを
やがて
コンタミが口を開く
そこで一度止まる
言葉を選んでいる
そして、続ける
誰も遮らない
全員が聞いている
コンタミはゆっくり話す
目が少し揺れる
記憶が、まだ痛みを伴っている
その言葉は淡々としている
だが
そこに込められた感情は、軽くない
理解している
でも
その一言だけが
本音だった
少しだけ、手を見る
静かな部屋に、その言葉が落ちる
重い
過去の積み重ねが、その一言に詰まっている
小さな声
みどりだった
コンタミが顔を上げる
みどりはまっすぐ見ている
それ以上の言葉はない
だが
否定ははっきりしていた
金豚きょーが口を開く
腕を組みながら
少しだけ視線を逸らす
それは現実
否定しない
はっきりと
断言
優しい声
揺るがない
あの暴走の中でも
結果として
守った事実は消えない
それだけ
でも、それが全てだった
そして
らっだぁ
一歩前に出る
コンタミを見る
まっすぐに
少し間を置く
軽く笑う
あの時の言葉
変わらない
その一貫性が、何より強かった
コンタミの目に、涙が浮かぶ
だが今回は違う
恐怖ではない
安心
受け入れられている感覚
正直な言葉
隠さない
仲間を見る
一人一人
確かめるように
ゆっくりと息を吸う
らっだぁが笑う
短く
でも、十分だった
金豚きょーも肩をすくめる
レウクラウドは静かに頷く
みどりも、ほんの少しだけ笑った
コンタミは思う
この仲間たちは
離れない
少なくとも――今は
そして
自分も
逃げない
窓の外
夕日が沈みかけている
赤から、夜へ
世界は変わっていく
モンスターはまだいる
戦いも終わらない
それでも
このチームなら
きっと
乗り越えられる
ストレス値
らっだぁ:35
みどり:32
金豚きょー:38
レウクラウド:40
コンタミ:42
第3章 離れないで 𝑒𝑛𝑑
↓
第4章 道具だから












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。