Uraume’s side
火山頭の呪霊が菅原の末裔に負けてから、
体は何処へ行ったのやら、頭部だけ残して帰還した 。
草木の呪霊が、火山頭の頭部を大切そうに抱えている 。
たかが呪霊如きが群れ、慈しみあっているのだ 。
その光景に、何とも言えない神妙な気持ちになった 。
__________ 穏やかな海が眼前に広がる、
蛸呪霊の生得領域の中 。
私は羂索にあなたの術式について問うと、
羂索は驚き半分笑い半分といった表情を浮かべた 。
そう、羂索の言う通りだ 。
私はあなたの術式をよく知らない 。
きっとそれは、宿儺様も同様だ 。
出会った当初は術式を行使していた 。
しかしそれは本人の反射的な行動だった為に、
当人も自ら意識しての術式など、
行使はしたことないに等しい 。
それ故に私は、現在呪術師として生きるあなたのことを
理解しておきたいのだ 。
そんな私の想いを真正面から受けてして、
尚も薄ら笑いを止めない此奴に
多少なりとも苛立ちは覚える 。
それでも尚、羂索に頼るのは
此奴が狡猾で老獪な者であるからこそだ 。
此奴は計画の為ならば、何事も厭わない 。
努力も、失敗も、何事も 。
実行と失敗を繰り返し、
千年の乱世を渡り歩いてきた 。
斯様な者が、千年前から此奴の計画に携わる
花山院家の事を知らないことがあろうか 。
_________ 呪術師として生きるあなた 。
千年前にかかった呪いは、
その小さな背には余りにも重すぎるものだった 。













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。