第3話

3.
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2024/03/12 05:01
1週間に1回、病院前に公園で会うことは、俺たちの決まりのようになっていた。




何度も会っているうちに、互いを「ジミニヒョン」「ジョングガ」と呼び合うほどにもなった。




時に、ジミニヒョンは歌を歌ってくれたりもした。




ダンスもできると言い、昔覚えたというものを披露してくれた。




現代舞踊を一時期習っていたらしく、その時に覚えたものらしい。




目が見えなくても文字はある程度書けるだとか、




季節は気温と匂いで感じてるだとか、




そういうことも教えてくれた。




今日も「楽しみだな」なんて車椅子を進めた。







jk
jk
ジミニヒョーン!


そう呼ぶと、いつもと同じように嬉しそうに手を振られる。




花が咲いたような笑顔が可愛らしくて、俺も自然と笑顔になる。

jm
jm
ジョングガ〜、一週間ぶり〜


そう言って互いに手を握る。




あの時からそれが挨拶となって身についた。



もうとっくに冬になり、冷たくなった空気に当てられたからか、




ジミニヒョンの手はとても冷えていた。


「すみません、お待たせして…手が冷たくなっちゃいましたね…」

「ううん、大丈夫だよ。

ジョングガこそ、わざわざここまで車椅子こいで来るの、手痛くなるでしょ。」

「ずっとこいでるので、もうなれましたよ。」

「そっか、でも無理はしないでね」


jk
jk
すみません、お待たせして…

手が冷たくなっちゃいましたね…
jm
jm
ううん、大丈夫だよ?

ジョングガこそ、わざわざここまで車椅子漕いで来るの、

手痛くなるでしょ。
jk
jk
ずっと漕いでるので、もう慣れましたよㅎ
jm
jm
そっか、でも無理はしないようにね


そう言って微笑む彼とまた20分の会話が始まる。











ふと、ジミニヒョンは遠慮気味な表情になった。

jk
jk
ジミニヒョン?どうしました?


俺がそう聞くと、




ジミニヒョンは少し口ごもって、躊躇う素振りを見せた。





jm
jm
前にジョングガが車椅子に乗ってる理由、話してくれたでしょ?
jk
jk
そうですね
jm
jm
でも僕は、目が見えない理由、

話したことないじゃん、

なんか僕だけ、ずるいことしてるなって…
jk
jk
あー…気になったことはありますけど、

別に無理して話さなくてもいいんですよ?

ずるいなんてことありません
jm
jm
…でもジョングガには話してもいいかなって思ったの

あと、報告しなきゃいけないこともあるから、

話してもいい…?
jk
jk
大丈夫ですよ、しっかり、聞きます


正直、出会った時から気になっていた。




目が見えない理由。




でも、俺から聞くのは違うと思って気にしないようにしていた。




話してくれるのは嬉しい。




興味深いことでもある。




でも、聞いてしまったら、ジミニヒョンの暗い過去が見える気がして、




ジミニヒョンに辛いことを思い出させるんじゃないかって、




少し気が引ける。




でも話す気になってくれたから




しっかり聞いておこう。







Next.

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