第2話

2.
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2024/02/05 23:33
jk-mam
なぁに、ジョングガ。

今日はやたらと機嫌いいじゃないのㅎ

リハビリに可愛い子でもいた?

あの男性のことを思い出して、ふと笑みが零れたとき、




車を運転する母親がミラー越しにそう言った。




「いや、べつに?」なんて誤魔化しようのない声色で答える。




これから1週間ぶりに病院でリハビリをする。




"支えがあるからといって、あまり頻繁に足を使ってては治りが遅くなるかも"ということで、




病院での歩行練習は1週間に1回ということになったのだ。




だから、病院に行けるのも1週間に1回。




その日が、やっと来た。




でも、俺はリハビリが楽しみなんじゃない。




あの人に会えるかもしれないのが楽しみなんだ。




今日もいるかな…





***

jk-mam
じゃあ、リハビリ頑張ってらっしゃい。

終わったら迎えに来るからね


そう言う母親に手を振り、車椅子をこぐ。




病院に着いたものの、




リハビリの時間まで少し間があるということで、




近くの公園でも散歩しようと車椅子を進めた。










***


初めて来たが、雰囲気の良い公園だ。




秋ということもあって、辺りはオレンジや赤で染められていた。




歩きやすく作られたコンクリートの道を、ゆっくりと車椅子で進む。




綺麗だなーなんて思いながら景色を眺めていると、どこからか歌声が聞こえてきた。




自然と耳を澄ます。




聞いた事のない曲だったが、違和感なく脳に入ってくる。







" そばにいて "

" 僕と約束して "

" 触れたら飛んでいってしまいそうで "

" 壊れてしまいそうで "

" 怖いんだ "

" 時間よ止まって "

" この瞬間が過ぎてしまったら "

" 無かったことになるんじゃないか "

" 君を失うんじゃないかって "

" 怖くなるんだよ "







その歌に、歌声に、強く惹かれた。




車椅子を進める手は自然とそちらへ向かっていた。




jk
jk
あ…!



俺が1週間会いたかった人が、そこに居た。




金色の髪は木漏れ日に照らされ、




まるで天使のように秋の風に吹かれていた。


jk
jk
あの、
?


気づいた時にはなんの躊躇いもなく声をかけていた。




男性はこの間と変わらず、驚いて体を跳ねさせた。

?
この間の車椅子の方…、?
jk
jk
そうです!


覚えてもらえてることが嬉しかったとともに、




少し聞いた声だけで人のことを覚えられるんだなと関心した。

?
この間はありがとうございました…!

男性はやはり、目を瞑ったまま俺の方を向いてそう言った。




「いえ…」なんて照れながら近づくと、男性はこちらに手を差し出してきた。

jk
jk


伸ばされた手に対して何をすればいいのか分からず迷っていると、




男性は察したように微笑んだ。


?
手を、握ってくれませんか。

貴方を知りたいです。



俺はその言葉に驚いた。




きっとこの人にとっては普通のことなのだろうが、




その言い方と声色のせいで、




なんだかプロポーズのように聞こえたからだ。



?
改めて、この間はありがとうございました。
jk
jk
いえ、別に俺は何も出来てなくて……その、
?
貴方は僕を助けてくれましたよ?



?
あの時、実は弟は用があって、

僕は壁のところで待っててと言われてたんです。

でも、なんだかひとりぼっちなのが少し怖くて、

誰でもいいから話し相手になって欲しかったんです。

あの時、弟を探してるなんて、

嘘ついちゃってごめんなさい…



jk
jk
いや、そんな…


彼は申し訳なさそうに肩を落とした。




こんな時に明るく"大丈夫ですよ"なんて言えたら良かったのだろうが、




その言葉は違うんじゃないかと思ってしまった。




彼は"ひとりぼっちが怖い"と言った。




目が見えないからというのもあるのだろう。




でも、なんだか、他に理由がある気がした。




かける言葉が見つからず戸惑っていると、



また、男性は察してくれた。

?
名前を、聞いてもいいですか?
jk
jk
名前…チョンジョングクです
jm
jm
ジョングクさんですね

僕はパクジミンと言います。

よろしくお願いします。


自分のより一回り程小さくて可愛い手が再び差し出される。




今度は迷わずにその手を取り、握手をした。









***

その後は、20分ほど話していると




リハビリの時間が来てしまい、




ジミンさんに渋々別れを告げた。




その20分の間に知れたことは、




ジミンさんは定期検診が俺と同じ、一週間に一回だということ。




音だげ頼りに歩く練習のため、車通りや人通りのない
比較的安全な病院と公園の道は1人で行き来していること。




歌が好きで、知人が作った曲をよく歌うこと。
(いずれ自分でも作曲してみたいと言っていた)




ジミンさんの方が俺より2つ年上で、弟さんは"双子の弟"だということ。









ジミンさんと話をするのはとても楽しかった。




言葉の節々に上品さや性格の良さが現れ、




何度も俺を気遣ってくれた。




その反面、動作が可愛らしく、




楽しかったり面白かったりすると足をバタバタさせて笑ったり、




考える時は頬に手を添えたりした。




俺の去り際にジミンさんが言った、




「また話しましょうね」




という言葉に俺はとてつもなく嬉しくなった。







Next.




活動し始めて初の

スポットライトというものをいただきました…!

本当に嬉しいです、ありがとうございます…!

「윤정우」さん!読み方は ゆんじょんう さんでいいのかな…?

かむさはむにだ!

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