第27話

停電 「彩奈編」
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2019/09/15 10:49
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
イヤアアアアアア
蒼井 さく
蒼井 さく
僕は、雷の音にびっくりして
涙が止まらなかった。

ただ、雷が鳴ってる間、さくの家に
いようと思っただけだったのに・・・
雷のせいで、家が停電し、
部屋が、一瞬で真っ暗になる。
蒼井 さく
蒼井 さく
彩奈さな、とにかく中に入れ
僕は、さくの方を見ると
お風呂に入っていたのか、上半身裸で
タオルを腰に巻いて出てきてくれた
ことに気づいた。
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
さく、ドア開けてくれて
ありがとう・・・ごめん
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
お風呂入ってたのに・・・
蒼井 さく
蒼井 さく
俺は、大丈夫だよ
蒼井 さく
蒼井 さく
それより、俺、服着てくるから
タオルで、体拭きな
蒼井 さく
蒼井 さく
雨の中きたから、家中、ビチャビチャ
だし・・・
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
うん
僕は、さくにタオルをもらい、
服を拭いた後、床も拭いた。
ゴロゴロと、雷がなり、雨も
激しいのに、さっき1人で家にいた時
より、安心できた。
蒼井 さく
蒼井 さく
彩奈さな、服ビショビショ
だから、俺のトレーナー貸すから
着ろよ
蒼井 さく
蒼井 さく
そのままじゃ、寒いだろ?
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
あ、うん・・・
僕は、さくからトレーナーを
貸してもらい、脱衣所で着替えを
した。
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
ん?ちょっとこれ、大きすぎるな
子供の頃は、僕の方が少し大きい
くらいだったのに、今さくの服を
着てみると、ダボダボで、ワンピース
みたいになってしまう・・・
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
着れたよ
蒼井 さく
蒼井 さく
あっ、そう
さくは、ふいっと顔をすぐ
そらしてしまった。
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
ごめんな、雷、怖くて・・・
さくの家に来て、服まで貸してもらう
なんて・・・
僕は、なんと申し訳ないの
だろうと、肩をすくめた。
蒼井 さく
蒼井 さく
別に、怒ってないよ?
彼女なんだし、いつ俺の家に来ようが
気にしねえよ、ただ・・・
蒼井 さく
蒼井 さく
お前が、泣く前に、見に行けば
よかったって、思って
蒼井 さく
蒼井 さく
ごめんな、すぐ気づいて
やれなくて
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
そんなことない!
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
さっきまで、すごく怖かったのに、
今は雷鳴ってても、停電してても
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
さっきの、何倍も安心してるんだ!
僕は、さくの手をギュッと握る。
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
今日は、長い1日になりそうだな
蒼井 さく
蒼井 さく
へっ?
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
だって、停電中にやる事と
いったら、ろうそくに火をつけて
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
それから、食料確保して、あとは・・・
蒼井 さく
蒼井 さく
なんだ?
蒼井 さく
蒼井 さく
さっきまで、雷と雨に怯えてた奴が
ノリノリでキャンプ風なこと、
しようとしてるし、アハハ
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
停電は、嫌だけど、さくと一緒なら
楽しめそうな気がする
僕が、ニイっと笑うと、さくは
両手を顔に当てて、ハアと、ため息を
ついている
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
なんだよ?さくは、楽しめないって
言いたいのか?
蒼井 さく
蒼井 さく
違くて・・・くそッ
蒼井 さく
蒼井 さく
なんで、こういう日にかぎって、
夏樹や母さん、父さんが出かけてんだよ
蒼井 さく
蒼井 さく
こんなの、シャレになんねえっつうの
さくは、顔から手をパッと離すと
僕をにらみ
蒼井 さく
蒼井 さく
いいか、今日俺の家に泊まるんなら
用心して生活しろよ?
と、言った。
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
蒼井 さく
蒼井 さく
あんまり無防備でいると、
俺、お前を襲うからな
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
僕を、襲う?
何で?何のために?
蒼井 さく
蒼井 さく
いいか?俺は、言ったからな
こうして、僕は、停電してる間
さくの家で過ごすことにしたのだが、
さくは、あまり乗り気ではないらしい。

でも、1人でいるのは、嫌なので
赤坂 彩奈
赤坂 彩奈
わかった
と、返事をした。

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