何もない部屋だった。…窓も、出入り口すらも。
全部壊れてから、そこが高いビルの一室にあったことを知った。
瓦礫の山、鼻をつく金属の匂い。
ふと自分の手を見ると、傷だらけで、
誰のかわからない血がついていて。
「動くな」
誰かの声が聞こえる。少しだけ首を動かすと、紫色の髪が見えた。
追手だろう。
"また"この悪夢を見ている。
明晰夢、というやつだろう。
普段は、起きた時に夢の内容なんて覚えてないけれど、今なら分かる。
夢とは思えない、鮮明な五感、感情。
何度も見てきた夢、何度も見てきた"現実"。
苦しい、辞めたい、逃げたい。
夢なんだから目覚めてしまえばいい。なのに、私は目の前の人から目を離せずにいた。
このまま見ていれば、普段は見られないこの続きが見れる。
私が忘れている何かが思い出せる。
そんな予感がしたのに。
lrn「…おーい、…うなされてる?、おーい!」
白い天井、廊下で生徒の騒ぐ声、そして見慣れた赤髪と金髪。
hskw「あなた大丈夫?顔、真っ青だよ?」
あなた『あー、多分…?』
lrn「緑仙先輩から倒れたって聞いて…」
hskw「ローレン、めっちゃ焦ってたもんね」
lrn「言うなよ!?」
そんなやり取りを見ていると、なんとなく、「あぁ、あの夢の続きを見なくて良かった」と思えてしまった。
あなた『よいしょっ…てかさ、』
lrn「ん?どした?」
hskw「あ、話そらしたー!」
あなた『剣持先輩って分かる?』
星川は若干目を逸らしたあと、こういった。
hskw「あー、有名だよ、めっちゃ強い、よ、うん。」
そして、ローレンも気まずそうにこう言った。
lrn「あー…、あなた遠足の班一緒なんだっけ?」
あなた『なんで知ってんの?』
lrn「緑仙先輩に聞いた」
2人はは若干気まずそうな目をしている。
あなた『え、何かあったの?』
lrn「あー、えー、星川、言っていい?」
hskw「別にいいよ」
lrn「さっき、あなたも起きないし、放課後自主練でもしていくかって思って体育館行ったの」
あなた『おん』
lrn「で、剣持先輩いたから、話して」
あなた『おー』
hskw「で、流れで戦おうってなっちゃって」
あなた『え?』
lrn「2対1でボコられた」
あなた『……えーーー!?!?』
お久しぶりです、長い間失踪しており申し訳ございません🙇











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!