地を蹴って走る。
葛葉先輩は動かない。本当に先手を譲ってくれるようだ。
片方の短剣はしまったままに、右手に持ったもう片方の剣で切りかかる!
)キィンッ
あなた「…っ!」
腰を落とし、太もも辺りを狙ったが、先輩がいつの間にか抜いていた刀?剣?に阻まれた。
けれど、これはまだ様子見。
刀を受け流し、足払いを掛ける。が、当然のようにバックステップで避けられた。
そのまま転がり、少し距離を取る。
kzh「初動から足狙いって、随分いかついなお前…」
割と余裕で避けてましたよね、と言いそうになったがやめておく。
多分、近接なら剣2本持ちで小回りの利く私の方が有利だ、と思う。
…異能力がなければ。
正直、噂話に疎い私は先輩がどんな能力なのか1ミリも把握していない。
近距離なのか遠距離なのか、強い強いって噂がある以上物騒なもん持ってそうだけど…。
まぁ、物は試しである。
空に大量の氷の破片を浮かべる。多分、1000は下らない。
hskw「…あれで魔力量2桁なの?」
knmc「え?」
なんか外野がうるさい気がするが無視無視。
最近開発した追尾弾、行ってみよう!
ーーーーーキリトリーーーーー
hskw side
校舎の屋上から居なくなった2人を、邪魔にならないように星の道で追いかける。
そこには、驚きの光景が繰り広げられていた。
幾千個もの氷が葛葉先輩に襲い掛かっている。
先輩は町を走って氷を撒きつつ、撒けなかったものを赤い何かを使って打ち消していた。
多分、血。葛葉先輩の能力は、吸血鬼。
叶さんがちょっとだけ教えてくれた。
何ができる力なのかはよく分かってないけど。
あなたは氷を追加しながら後を追っている。
けれど、氷はどんどん少なくなってる。
そして、均衡が崩れた。
あなた「ぁ…」
あなたの足首に血が触れてしまい、爛れてる。
血に毒か酸でも入ってるのかな。
kzh「隙だらけ」
あなた「いっ」
蹲って怪我をおさえているあなたに太刀を振るう先輩。
首の直前で止めて、降参って言わせようとしてるんだ、って思ってた。
刃が止まる。けど、先輩の意思で止めたんじゃない。
水だ。まるで意思を持ったみたいに動く水が刃と首の間に挟まって、クッションのようになっていた。
あなた「まだ、ですよ?」
その瞬間、クッションのようになっていた水が弾け、同時にあなたの周りから水があふれ出てきた。
それは路地を満たすほどに…。
knmc「…葛葉が測定器の使い方ミスったんじゃないの、あの水の量。」
lrn「…。」
大量の水に仰け反る葛葉先輩を横目に、あなたはポケットから何かを取り出した。
hskw「っ…!」
あなた「一緒に逝きましょーね!」
スタンガン⁉











編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。