侑side
侑「…角名とあなた、遅いなぁ」
治「どっかでいちゃついてんとちゃう?ほんま腹立つわ」 ←正解
侑「な、んなわけないやろ!!」
サムの言葉に、思わずムキになる。
でも、
ほんまにそうやったら…俺はどうしたらええんやろ。
侑「…なぁサム」
治「んあ?」
こいつまだ食うとるし……。
侑「お前はどうするん?その予想が当たっとったら」
治「…しょーもない質問」
サムはケッと悪態をつく。
治「…俺がどうするかはどうでもええねん。ツム」
侑「何やねん」
治「グダグダ考えんな気色悪い」
侑「はぁ!?何が言いたいねん!」
俺はベーっと舌を出してやった。
サムはスッと目を細め、俺から目を逸らした。
治「……いつもみたいに、考えんで本能で行動せぇや。好きな女に告白もできへんの?」
侑「はぁ!?俺はいっつも考えて…」
…………?
サム…あなたのこと好きやなかったか?
コイツが何を考えてんのか、分かってしもた。
自分は気持ちを伝えんって言うとるんや。
何で?
何で自分から不利になろうとするん?
治「…これで、ツムのライバル、1人減ったやろ?」
あまりにも切なそうに笑う俺の双子。
サムの瞳が花火に照らされる。
微かに潤んでいる。
我慢……しとるんやなぁ。
侑「…サム!」
治「何や、泣いとらんで」
侑「まだなんも言っとらんわ!」
ははっ。
泣くほど笑った。
でも、笑う意味もない。
サムが泣いてる理由はまた違うんかな。
侑「ライバルで行こな」
治「…せやな」
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!