第15話

双子
860
2021/02/20 04:16

侑side


侑「…角名とあなた、遅いなぁ」


治「どっかでいちゃついてんとちゃう?ほんま腹立つわ」 ←正解


侑「な、んなわけないやろ!!」



サムの言葉に、思わずムキになる。


でも、



ほんまにそうやったら…俺はどうしたらええんやろ。



侑「…なぁサム」


治「んあ?」


こいつまだ食うとるし……。


侑「お前はどうするん?その予想が当たっとったら」


治「…しょーもない質問」


サムはケッと悪態をつく。






治「…俺がどうするかはどうでもええねん。ツム」


侑「何やねん」


治「グダグダ考えんな気色悪い」



侑「はぁ!?何が言いたいねん!」


俺はベーっと舌を出してやった。


サムはスッと目を細め、俺から目を逸らした。







治「……いつもみたいに、考えんで本能で行動せぇや。好きな女に告白もできへんの?」




侑「はぁ!?俺はいっつも考えて…」



…………?



サム…あなたのこと好きやなかったか?



コイツが何を考えてんのか、分かってしもた。



自分は気持ちを伝えんって言うとるんや。



何で?





何で自分から不利になろうとするん?




治「…これで、ツムのライバル、1人減ったやろ?」



あまりにも切なそうに笑う俺の双子。



サムの瞳が花火に照らされる。



微かに潤んでいる。




我慢……しとるんやなぁ。



侑「…サム!」


治「何や、泣いとらんで」


侑「まだなんも言っとらんわ!」



ははっ。



泣くほど笑った。



でも、笑う意味もない。



サムが泣いてる理由はまた違うんかな。










侑「ライバルで行こな」



治「…せやな」

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