第36話

仙妖古文書の怪 Ⅴ
31
2025/10/07 12:04 更新
翌朝私たちは蓑羽さんを呼び寄せ、事の次第を話した。
蓑羽
蓑羽
ええ…そんなことがあったんですか…
ひやしんす
ひやしんす
はい
千歳
千歳
このようなことになってしまい申し訳ありません…
蓑羽
蓑羽
はあ…これから何が起こるのでしょうか
千歳
千歳
わからないです…危険だってことはわかる
蓑羽
蓑羽
そうですよね
ひやしんす
ひやしんす
こちらも探すために全力を尽くします
蓑羽
蓑羽
ありがとうございます
蓑羽さんはとぼとぼと帰っていった。
残された私たちはその背中を、見えなくなるまでずっと見ていた。
千歳
千歳
どこにあるのでしょうか
ひやしんす
ひやしんす
わからない。でも、何も知らない人が拾ったらとんでもないことになる
千歳
千歳
そりゃ、そうでしょうね
蓑羽さんは、私たちがかかわったことがある古道具屋に呼び出されていた。
古栄堂店主
古栄堂店主
それで、あなたを呼び出したのは、いつの間にか棚の上にこの本があったことを調べてほしいからです
蓑羽
蓑羽
こ…これは…
古栄堂店主
古栄堂店主
どうしたんです?
蓑羽
蓑羽
これは、読んではいけないものなのです…
古栄堂店主
古栄堂店主
ええ…わざわざ呼び出して申し訳ありませんでした
蓑羽
蓑羽
いえいえ、私もこの本の在り処を見つけられてよかったです
古栄堂店主
古栄堂店主
…?
蓑羽さんは懐から徐に風呂敷を取り出し、本を包んだ。
蓑羽
蓑羽
これは私が預かっておきます
古栄堂店主
古栄堂店主
…ちょ、ちょっと、あなた!私まだ料金を支払っておりません…
蓑羽
蓑羽
お代は結構です。では、また
私は事務所で事務作業をしていた。その時電話がかかってきた。
千歳
千歳
もしもし、ひやしんす妖伐事務所です。…はい。そうなんですね。…ありがとうございます
ひやしんす
ひやしんす
ん?何かあったのか?
ソファーで足組をしていたひやしんすさんが上体を起こしてこちらを見た。
千歳
千歳
本が…本がある場所がわかったそうです
ひやしんす
ひやしんす
え!?それは意外と、速いね
千歳
千歳
そうなんです。今から来ると仰っていました
ひやしんす
ひやしんす
わかった。…それと、綺羅を呼び出してくれないか
千歳
千歳
綺羅さんですか?はい、わかりました
私は綺羅さんに電話をかけた。向こうもすぐ来てくれると返事をくれた。
しばらくすると蓑羽さんと綺羅さんがほとんど同時に着いた。
千歳
千歳
蓑羽さん!本、見つかったんですね!よかった…
蓑羽
蓑羽
…それが、そうでもないんですよ
ひやしんす
ひやしんす
えっ!?
千歳
千歳
な、何があったんですか?
蓑羽
蓑羽
ここ、ここです。ここを見てください
綺羅さんは本の端を指さした。なるほど、爪のようなものがはみ出ている。
このまま放置していればそのうち這い出てきそうだ。
蓑羽さんと私たちはどういう事があったか詳しく説明した。
綺羅
綺羅
えっ…これは!
千歳
千歳
どういうことですか?何か、わかるんですか?
綺羅
綺羅
これは…こんな危険なものが野放しになってたなんて…
ひやしんす
ひやしんす
どういうものなんだ!?
綺羅
綺羅
これは、人に取り憑いて自分の思うように操作するものです
蓑羽
蓑羽
そんなに危険なものだったんですか?
千歳
千歳
そ…そんな…ということは、ひやしんすさんは…
綺羅
綺羅
昨夜無理やり鍵を開けさせて古栄堂の棚に置かせた。ということ
ひやしんす
ひやしんす
そうだったのか…
綺羅
綺羅
とにかくこれは私が預かって強い封印を施しておきます
ひやしんす
ひやしんす
ありがとう
綺羅さんは本を持ち、事務所を出た。

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