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第42話

仙妖古文書の怪 Ⅺ
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2025/11/18 09:00 更新
私たちは本殿に向かう何かを追って廊下を走った。ほとんど夜の闇に近いような、暗い暗い廊下を駆け抜けて、私たちは本殿に辿り着いた。それは近くで見ると周りの黒に溶け込むような色をしていた。
巫女
巫女
あいつは…どこにいるの…
それは異質な雰囲気を放っていたが、本殿はかなり広い上に、周りに擬態しているので視認することが難しく、ここで手間取っていると被害が拡大するだろうと思われた。
私たちが周りを見渡していると、後ろの襖が開き、さっきまで取り憑かれていた巫女の同僚が顔を出した。
巫女の同僚
巫女の同僚
あの…さっきは迷惑かけてしまって、すみません
千歳
千歳
いえいえ、貴女が気にすることではありませんよ
巫女の同僚ははにかんだ。巫女は心配そうな顔をして彼女に駆け寄った。
巫女
巫女
あんた…大丈夫?
巫女の同僚
巫女の同僚
うん、さっきまではちょっと浮ついてたけど、今は平気
千歳
千歳
それで、なぜここに…
巫女
巫女
ああ、そう言えば…
巫女は何かを思い出したように上を向いた。
巫女の同僚
巫女の同僚
私、追跡能力持ちなんです。それで、ここにいるって分かったから来たんです
千歳
千歳
そうですか、ということは…
ひやしんす
ひやしんす
この部屋のどこにいるかがわかる!
巫女の同僚
巫女の同僚
そういうことです。助けていただきましたし、何か、お役に立てればと思いまして
そう言うと巫女の同僚は感覚を集中させるように目を瞑り、周りを見渡すような仕草をした。
祈祷師
祈祷師
あたいと、似たような感じだね
ひやしんす
ひやしんす
まあ、あんたのは漠然とした感じだからあんなに細かく分かるのは凄いと思うよ
綺羅
綺羅
そうねえ…私たちにはああいうのは無理だわ
ひやしんすさんたちが感心しているのをよそに、巫女の同僚は精神をさらに集中させた。
永遠ともいえるような時間が経過し、巫女の同僚は目を開けると同時に天井…それも中心を本殿の方にまっすぐ向かうように、指を動かした。
巫女の同僚
巫女の同僚
ここです。急ぎましょう!
私たちは本殿の中に飛び込むようにして入った。そこで、これまで感じていた何者にも侵し難いような神聖な雰囲気は少しずつ侵食されているような感じがした。
巫女
巫女
…!
巫女は唇を噛んだ。
巫女
巫女
遅かったか…!
その途端、人の雰囲気と言うと違和感があるが、何かの気配が一切消え去り、今まで感じた事のないような静寂が訪れた。
祈祷師
祈祷師
これで…抑えきれるか…!?
祈祷師はそれまで政神様だったものに札を投げつけた。淡いながらも光を放っていた政神様は、札に吸収された。
ひやしんす
ひやしんす
間一髪だったな…
何も感じられない。深い闇にひやしんすさんの声は吸い込まれていった。
千歳
千歳
えっ!?
ひやしんす
ひやしんす
どうしたんだ、千歳
千歳
千歳
いやだって…政神様ってもっと強いのかなって…
祈祷師
祈祷師
完全に憑依された状態だったらもっと封印に時間がかかったと思う
千歳
千歳
ということは…完全には憑依されてなかったってことか
ひやしんす
ひやしんす
そういうことだ
本当に危機一髪だった。
祈祷師
祈祷師
これは私が上層部に何とかするように頼んでおくよ
祈祷師は床に落ちていた札を拾い上げた。
仕事 陸「仙妖古文書の怪」 解決

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