第60話

【番外編】最後の天使 その3
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2023/05/21 02:03
 俺達がテンペストから離れた時、パースペクティブはテンペストに着いていた。
パースペクティブ
(とりあえず着いた……。この国はあの天使軍を退ける程の力がある。用心しないとな……。)
難民ですか?
パースペクティブ
あ、はい。
ではここへ向かってください。
 その人が示した場所は、難民に仕事を与える場所だった。そこには国の要人がいており、たまに盟主であるリムル=テンペストも訪れる。そこで、パースペクティブは考えた。
パースペクティブ
(リムル=テンペストを殺して姿を奪えばより強くなる……。そしてこの国から全てを潰すことが出来る……。)
 そう考えたパースペクティブは、難民に仕事を与える「難民仕事給与センター」へ向かった。
パースペクティブ
(なるほどな。つまりは日雇いで金稼げってことか。)
 周囲を見ると、リムルの姿はなかった。
パースペクティブ
(まあ、いないか。それほど盟主という職業は暇じゃないってことだ。……狙うは演説だな。)
 パースペクティブは、仕事を引き受けてリムルが演説をする日まで一般人に紛れた。






 翌日、リムルが帰ってきた。リムルが帰ってくる時は、決まって凱旋のようなものをするため、パースペクティブはリムルの凱旋を見ていた。
パースペクティブ
(……まさか本当にスライムとはな。)
 パースペクティブはこの一日で、計画を練っていた。まず、演説を行う時には必ずと言っていいほど、舞台裏というものが存在する。その舞台裏に回り込んで、周りに誰もいなくなった時にリムルを殺害し、究極能力アルティメットスキルを使ってまるで自分がリムルだということを装う。
パースペクティブ
(この国の者を全て殺し、始原の七天使をどうにかして復活させないとな……。)
 パースペクティブは、始原の七天使を復活させようと考えていた。もし、始原の七天使を復活させてしまった場合、天魔大戦が再び起こってしまう可能性がある。それをパースペクティブは目論み、戦力を確保しようとしていたのだ。
パースペクティブ
(リムルの演説は3日後か)
 パースペクティブはポスターを見て、リムルがいつ演説をするのかというのを見ていた。時間まで確認したパースペクティブは、不気味な笑みを浮かべていた。

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