第9話

フラストレーション
507
2024/11/09 01:22 更新
あなたの名字が見学に来てくれてから1週間経過…
次いつ来てくれるのか何にも言ってこねぇ…

あまりあなたの名字にプレッシャーかけたくねぇから、俺からは誘わねぇようにしてるが、さすがに間開きすぎじゃね?

手を伸ばせば毎日居る距離なのに、なんか遠いんだよな…
黒尾
なぁ、あなたの名字。
俺は授業始まるギリギリくらいに声をかけた。
あなた
ん?なに?
あなたの名字がくるっと後ろを向いて俺の顔を見る。
くっそ…今日も可愛いなぁ!!ちくしょう!!←
黒尾
お前、次いつ見学に来てくれるんだよ。
あなた
あー…えっと、また近いうちにお邪魔しようかなぁ…って思ってるよ!またその時に言うから!
なんかバツの悪い顔してんなぁ。
ぜってぇ何か隠してるな。
黒尾
いやまぁ、別にいいんだけどよ…。
何にも気にせず、気軽に来ればいいんだからそう構えんなよ。
あなた
あ、うん、ありがと!
ちょっとやること最近多くてさ…ごめんね。
でも、本当に近々また見学しに行くから!
黒尾
……。
わかった、待ってるわ。
はぁーーーやっぱり調子狂う…
俺が気を遣いすぎなのか…??
キーンコーンカーンコーン…
本日の授業終了。
沙織
あなたのニックネーム!今日は一緒に帰れる?
黒尾
(ん??今日は??)
あなた
沙織ごめん、今日も先に帰ってて!
沙織
りょーかい!帰り気をつけてね!
あなた
沙織もね!じゃぁね!
あなたの名字がそう言うと、ササッと教室から出ていった。
なんだ?気になるじゃねぇか!!!!
黒尾
おい、冴木。
沙織
なに?
黒尾
お前ら最近一緒に帰ってねぇの?
沙織
うん、今は学校ある日は週に2回くらいかな?一緒に帰るの。

朝は毎日一緒に登校するけど。
黒尾
あなたの名字のやつ、全然あれ以来バレー部に来ようともしねぇし、今日聞いてみたが、なんか避けられてる気がする…
冴木なんか知らね?
沙織
えっ?!
いやー…何だろうね…?受験勉強もう始めてるとかじゃないかなぁ…?
明らかに冴木もなんか隠してるな。
目が泳いでんだよ…
黒尾
嘘だな。親友のお前があなたの名字の今やってる事知らねぇとは思えねぇ。
ゴゴゴゴゴ…
沙織
ひぃ…!!
(ごめんあなたのニックネーム…私隠せれない)
わ、わかった!話すから落ち着いて!
私は図書室に来た。
静かだし本もあるし、落ち着いてバレーの勉強ができる!

図書室の本と自分で買った雑誌とメモがびっちりのノートを広げ、携帯にイヤホンを付けて全日本の試合を見る。

選手の動きや、技などノートに記していく。
こうして図式化することでどのように選手が動いて攻撃をしていくのかが私にはより分かるようになる。

映像を止めながら気になったところをもう一度見たり、初めて見たプレーは本で調べたり…

絶賛バレーの知識習得中なのだ。
あなた
予備知識を蓄えてから次の見学行くと、私にもある程度わかるかもしれないから楽しみ!
黒尾
何を隠してんのかと思ったら、こんなクソ真面目なことしてたのか…
あなた
えっ?!黒尾くん!ちょっと!
突然黒尾くんが図書室に来て、私のすぐ隣に座り、私の片耳からイヤホンを奪い自分の耳に付けた。
黒尾
この前の全日本の試合のやつか…
あなた
う、うん。
き、気まずい…

それからしばらく沈黙が続いた。
沙織
あなたのニックネームね、今自分でバレー部のマネージャーやるために、バレーの勉強をしてるの。
黒尾
え…
沙織
マネージャーやるにあたって、自分は素人だし何も知らない、でも予備知識を蓄えてすぐ音駒の戦力になれるようにって、ルールとかいろいろ勉強してるの。あなたのニックネーム真面目だから。
黒尾
あなたの名字のやつ、マネージャーやる気あんのか?!
沙織
あるよ!!じゃなきゃここまでやらないでしょ!!
この前見学させてもらった時、黒尾くんのサーブ打つ姿見て目をキラキラさせてたんだから。
それを聞いて俺は天を仰いだ…
なんだよ…クソ嬉しいじゃねーか…
黒尾
で、あいつ今どこにいる?
沙織
図書室。あそこなら本もあるし、すぐ調べれるからって…ちょ!!黒尾くん?!
俺は教室を飛び出し図書室に向かった。
なんなんだよ本当に…クソ真面目すぎるだろ!
そんなに身構えんなって言ったばかりだっつぅのに…

【黒尾くんのサーブ打つ姿見て眼をキラキラさせてたんだから】
黒尾
クソっ…
図書室に着いて扉を開ける。
周りをキョロキョロ見渡すとすぐにあなたの名字の姿を見つけた。

いろんな書籍広げて、携帯で何か見ているようだった。
傍から見てもすげぇ集中してるのがわかった。
俺はあなたの名字の方に静かに歩み寄った。
黒尾
何を隠してんのかと思ったら…こんなクソ真面目なことしてたのか…。
あなた
え?!黒尾くん!ちょっと!
俺はあなたの名字の横にドカッと座り、あなたの名字の片耳からイヤホンを奪った。
この前の全日本の試合を観ていた。
黒尾
この前の全日本の試合のやつか…
あなた
う、うん。
あなたの名字の手元を見ると、バレー本に物凄い付箋の数に、雑誌に書き込み、ノートにはコートの図が書かれていて、いろんなプレーの動きが事細かに書かれていた。

俺はあなたの名字のペンを握る手を掴んだ。
あなた
え…
黒尾
大丈夫だ、知らないことは悪いことじゃねぇ。
お前がクソ真面目なのは分かった。
マネージャーになってからだって学べる。
分からなければ俺やチームの連中に遠慮なく聞けばいい。
誰でも最初は素人だ。恥じることじゃない。
お前はこれから新しい世界に足を踏み入れようとしてるから、不安や緊張があるのは分かる。
でも、今から1人で抱え込むな。
そう言って俺はあなたの名字のノートを奪った。
パラパラとページを捲って内容を見た。
黒尾
ここまで出来てるなら上出来だ…ニヤ
あとは、コートで俺たちを見てろ!
あなた
黒尾くん…
黒尾
つぅわけで、ほら行くぞ!!
俺は勝手にあなたの名字の荷物をまとめバッグに突っ込み、あなたの名字の手をとって図書室を出た。
あなた
ちょ、ちょっと黒尾くん!!どこ行くの?!
黒尾
どこって体育館に決まってんだろ!
もう部活始まっちまってるんだ、ほら行くぞ!
あなた
ま、ま、待って!!心の準備が!!
黒尾
そんなものいらねぇよ、今日は強制見学!!
自分が調べて得たものを実際に見ればいい。
あなた
あ、う、うん…
【クロらしく接すれば大丈夫じゃない…?】

研磨の言う通り、これでいいんだ。
あなたの名字ごめんな、俺はもう待てねぇ。

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