第10話

背中
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2024/11/09 09:22 更新
私は今どういう状況…??

黒尾くんに手を引かれて走っている…

大きな背中を見ながら…


【今から1人で抱え込むな】


さっき、黒尾くんに言われた言葉が頭の中で木霊する…
黒尾
よし、着いた!
ちょっとここで待ってろ。
あなた
え、あ、はい!
そう言って黒尾くんは部室に入っていった。
ものの数秒で着替えて出てきて、また私の手を引っ張って体育館に向かった。
黒尾
すまん!!遅くなった!!
夜久
遅せぇよ!!重役出勤かよ!!
黒尾
あぁん?!重役だよ!!
山本
おぉ!!あなたの名字さんじゃないっすか!!
あなた
お、お疲れ様です…!!すみません、またお邪魔します…
研磨
クロ…まさか無理やり連れてきたんじゃ…。
黒尾
はいはいはーい!!
おら、練習に戻れ!!シッシッ!!
あわわわ…
私のせいで黒尾くん部活に遅刻しちゃったんだよね…
黒尾
あなたの名字。
俺たちの練習を見てろ。この前来た時のお前は、今のお前よりもバレーの知識はなかったと思う。
でも、俺たちのためにお前はこの短い時間であそこまで知識を身につけた。
見える世界がまた違ぇはずだ。
黒尾くんはそう言って私の頭をポンポンしてコートに入っていった。
あなた
違う世界が見える…
私は両手で顔をパチっと叩いて、コートを見つめた。
練習が再開し、レシーブからのトス、スパイクの練習が始まった。

綺麗にセッターに返されるレシーブから、様々なトスから繰り出される多様なスパイク…
あなた
さっきのは…Aクイック…
今のは…時間差…
分かる…なんとなくだけど…
合ってるかわからないけど…
でも、この前見学させてもらった時はただただ迫力に圧倒されただけだけど…

今は…

分かる!バレーボールっておもしろい!!
黒尾
研磨!!俺によこせ!!
黒尾くんがトスを呼び、高く舞う。
しなやかに…

バシッ!!!!
あなた
…わぁ。
高く飛んだ黒尾くんの背中はとても大きくて、キャプテンとしての頼もしさも感じた。
黒尾
っしゃぁぁあ!!決まったぁ!!
そう叫ぶと黒尾くんがこちらに走ってきた。
両手を挙げて…
黒尾
あなたの名字!ハイタッチ♪
あなた
え………うん!!
黒尾くん、ナイスキー!!
黒尾
?!…クソいい掛け声だ!!
戸惑ったけど、初めて言ってみた。
ちょっと恥ずかしかったけど…

黒尾くんはニヤっと笑ってコートに戻っていった。

その後はブロック練習。
どんどん繰り広げられる様々なプレー。
私は、自分が書き溜めたノートを見ながら夢中になって見ていた。
俺は無理矢理、あなたの名字を図書室から連れ出した。
お前の努力、根性、真っ直ぐな気持ち…
もう十分わかった。
あとは、五感でバレーを感じて欲しかった。

見てろ、バレーがすげぇ面白いってところ見せてやる。
黒尾
研磨!!俺によこせ!!
そして研磨からトスがあがる。
見てろ、あなたの名字。

バシッ!!!!
黒尾
っしゃぁぁあ!!決まったぁ!!
呆気にとられてるあなたの名字に駆け寄った。
黒尾
あなたの名字!ハイタッチ♪
あなた
え………うん!
あなたの名字はちょっと戸惑いながら両手を挙げ…
あなた
黒尾くん、ナイスキー!!
な、ナイスキー…?!

ニヤ…覚えたての言葉使ってきやがって!
クソ嬉しいじゃねぇか!!

パン!!



今まで感じたことの無い初めての感覚のハイタッチだった。

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