新学期が始まって2日目…
私は、昨日黒尾くんに直してもらった自転車に乗って、沙織とのいつもの待ち合わせ場所に向かった。
すごいなぁ…
全国大会常連校だったんだ…
しかも黒尾くんバレー部のキャプテン…
なんかあの貫禄だもんね、納得。
学校に到着して、沙織と教室に向かう。
沙織は本当にコミュニケーション能力が高いから誰とでも分け隔てなく接することができる。
だから自然と沙織の周りには人が集まる。
そんな沙織が魅力的で羨ましい、そしてこんな私とも仲良くしてくれる…本当に感謝しかない。
自分の席に行くとまだ黒尾くんは来てなかった。
急に後ろから黒尾くんに声を掛けられてビックリしてのけぞった…
私は黒尾くんからそっぽ向いてストンと自分の席に座って背中を向けた。
午前の授業が終わり、お昼休みの時間。
沙織がお弁当片手に私の席に来た。
そう言って黒尾くんは教室を出ていった。
あーーーー
今日もいい天気だーーーー
俺は購買で買った焼きそばパン咥えたまま空を仰いだ…
今朝のあなたの名字のあれは反則だろ!!!!
どいつもこいつも面白がりやがってまったく…
授業中はずっとあなたの名字の後ろ姿を見ている。
華奢な身体、時折髪の毛の隙間から見えるうなじ、プリントが配られる時に一瞬見える横顔…
俺は…何を考えてるんだ…
気になる…?
好き…?
なんとも言えない初めての感情が湧き上がってくる。
だから困惑するんだ。
授業も終わりみんな部活に行ったり、帰宅したり、教室に残って談笑したりしていた。
私は今日は日直だったから最後に日誌を書いて職員室に先生に届けに行った。
教室に戻る途中、体育館の方からボールの音が聞こえてきた。
自ずと足が体育館に向かう。
扉が開いていたから、そっと中の様子を見た。
その瞬間、黒尾くんがボールを天高く投げ、高くしなやかに飛びボールを反対側コートに叩き入れていた。
その動きのしなやかさに…
バレーボールを近くで見たこと無かった私はその迫力に圧倒された。
ボールの威力や個々のプレー、そして何よりもボールを落としたら負けのスポーツだからかとにかくボールが繋がる…すごい…
私はつい見入ってしまった。
ふと我に返り、教室に戻った。
またこっそり見に行こうかな…












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。