高校3年生は進路について考えなきゃいけない。
自分が将来何になりたいのか…
何をやりたいのか…
そのためには何が必要なのか…
でもその前に本当なら、私は高校最後の夏のインターハイを目指して陸上に打ち込んでいるはずだった。
でも、それはもう叶わない。
英語の小テストの時間が終わった。
私は後ろを向いて黒尾くんに答案用紙を渡した。
黒尾くんも自分の答案用紙を私に渡して、お互いに黒尾くんの机上で採点をした。
そう言って黒尾くんはニヤっと笑った。
まぁ、今日は監督いねぇしココ最近ハードに動いてたから少し早めに切り上げて行くのもありか。
授業後、部活が始まる時間帯に高田先生と陸上部の部室に居た。
そう、退部の挨拶のために。
その場が静寂になり、その後パラパラと拍手が聞こえ、後輩たちからは「お疲れ様でした」と言葉を貰った。
とりあえずみんなの貴重な練習時間を取る訳にはいかないから私はササッとその場を離れて、沙織が待ってる校門まで急いだ。
私たちは自転車を走らせた。
俺らは部活を早めに切り上げ行きたいやつだけクレープ屋に行くことにした。
校門まで歩いていく途中に陸上部の部室があるプレハブがあるんだが…
陸上部のヤツらが話してるのが聞こえてしまった…
こいつらマジで言ってる…??
待て待て、落ち着け俺…
完全部外者の俺がキレ散らかしたところで何にもならなんだろう…
あなたの名字のことそんなふうに言われるのはすげぇ腹立つけど!!
ある意味こんなヤツらがいる部活をあなたの名字が辞めてくれたことは良かったと思う。
くそ、マジであなたの名字のことあんな風に言われんのは腹立つ!!!!
だいたいスポーツマンならあんな発言はすべきではない。
メニューがどれも魅力的で、ドリンクも美味しそう。
お店の雰囲気もカントリーチックで落ち着く。
オープンして間もないということもあり、お子さん向けに風船も配ったりしていて活気があった。
一通り注文して、私はクレープとコーヒーを頼んだ。
凄く楽しみでワクワクしてる。
その時、外から子どもの泣き声が聞こえてきてどうしたのかと思い沙織と店の外に出た。
見上げるとお店の前の大きな木に引っかかっていた。
私は準備運動を始めた、しっかり筋肉と筋を柔らかくして、風船の真下に立って位置を確認した。
だいたい助走はこれくらいからかな。
私は助走体制に入り、踏み込み位置で上にまっすぐ飛んで、風船の紐をガっと手に取って着地した。
子どもは何が起きたのか理解できてない様子だったけど、風船が戻ってきたことがわかるとまた大号泣して…
一件落着したから店内に戻ろうとした時に沙織が物凄く心配そうな顔をしていた。
俺らは目の当たりにした。
全国で活躍した選手の力を。
次の瞬間、綺麗な助走フォームから踏切ってまっすぐ高く上に飛び風船を取ったあなたの名字の姿だった。
あまりのフォームの綺麗さに俺は見とれていた…
結局、音駒高校排球部は誰も食べずに帰りましたとさ笑
昨日あのあとは沙織とクレープを堪能して、久しぶりにゲーセンで遊んで帰宅した。
部活してたから、なかなかこういうことできなかったから新鮮だった。
夕日が差し込む静かな教室で荷物をまとめていると…
ガラガラ…
それはあまりにも突然過ぎてポカーンとなってしまった。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!