第5話

打診
657
2024/11/08 05:11 更新
高校3年生は進路について考えなきゃいけない。
自分が将来何になりたいのか…
何をやりたいのか…
そのためには何が必要なのか…

でもその前に本当なら、私は高校最後の夏のインターハイを目指して陸上に打ち込んでいるはずだった。

でも、それはもう叶わない。
教師
はい、そこまでー!では、後ろの席の人と答え合わせしてください!
英語の小テストの時間が終わった。
私は後ろを向いて黒尾くんに答案用紙を渡した。
黒尾くんも自分の答案用紙を私に渡して、お互いに黒尾くんの机上で採点をした。
黒尾
おぉ?!あなたの名字、お前すげぇな!!満点じゃん!!
あなた
得意なだけだよ。そういう黒尾くんもほぼ満点だよ。
黒尾
あなたの名字って、結構勉強できるだろ?テスト期間中とか教えてくれよー!
あなた
教えるのは別に構わないけど、私も全部が全部得意な訳じゃないからね!
黒尾
そこは互いの弱いところ補っていけばいいだろー?!よし、決まり!!
そう言って黒尾くんはニヤっと笑った。
教師
はい!
答案用紙後ろから集めてー!今日の授業はここまで!
沙織
ねーねーあなたのニックネーム♪駅前にさ、おいしいクレープ屋さんできたんだよー!今日学校終わりに行かない?!
あなた
へぇーそんなお店ができたんだ!行きたい!
あ、でもその前にちょっとやることあるから校門で待っててもらってもいい?
沙織
全然いいよー!!待ってるから♪
黒尾
へぇーいいねークレープ♡俺も食いたい。
沙織
黒尾くん、甘いもの大丈夫な人??
黒尾
好きだよー!やっぱ疲れた時は糖分っしょ!まぁ俺らスポーツバカは、もっぱらバナナばっかり食ってるけどね笑
あなた
バナナは栄養価も高いし、エネルギーにもなるからスポーツ選手にはいい果物だもんね!
沙織
さすがあなたのニックネーム!わかってるねぇ!
黒尾
ほほぅ…
あなた
あ、ちょっと次移動授業じゃん!!
早く行かなきゃ!!
沙織
そうじゃん!!早く早くーーー!!
黒尾
おい待てよお前ら!!
黒尾
てことで、駅前にクレープ屋ができたらしい。
山本
マジっすか?!女子がいっぱい集うこと間違いなしじゃないですか!!行きてぇぇぇぇ!!
研磨
トラうるさい…
夜久
最近そういうスイーツ食べてないからたまには食べてぇなぁ!
部活後にみんなで行ってみるか!
まぁ、今日は監督いねぇしココ最近ハードに動いてたから少し早めに切り上げて行くのもありか。
黒尾
よし!じゃぁ今日は早めに切り上げるから、休息に時間をあててくれ!!以上!!
全員
うぃーーーーっす!!!!
授業後、部活が始まる時間帯に高田先生と陸上部の部室に居た。
そう、退部の挨拶のために。
高田
みんな揃ってるな??
この度、走高跳選手として活躍してくれたあなたの名字あなたの下の名前さんが陸上部を退部する運びとなりました。
最後にひと言お礼をとのことでご挨拶があります。
あなた
皆さん、お久しぶりです。怪我をしてしまった時、沢山のご迷惑とご心配をおかけし本当に申し訳ございませんでした。まともに歩けるようになりましたが、もう陸上は出来ないと判断し、退部する運びとなりました。今までお世話になりました!!
その場が静寂になり、その後パラパラと拍手が聞こえ、後輩たちからは「お疲れ様でした」と言葉を貰った。
とりあえずみんなの貴重な練習時間を取る訳にはいかないから私はササッとその場を離れて、沙織が待ってる校門まで急いだ。
沙織
あなたのニックネーム!!こっちこっち!!用事は終わった?
あなた
うん、終わったよ。ごめんね、待たせて!さぁ行こうか♪
私たちは自転車を走らせた。
夜久
はーーーたまにはすこし早く終わるのもいいなー
山本
リフレッシュも大事っすよ!!
俺らは部活を早めに切り上げ行きたいやつだけクレープ屋に行くことにした。
校門まで歩いていく途中に陸上部の部室があるプレハブがあるんだが…


陸上部のヤツらが話してるのが聞こえてしまった…

生徒
遂にあなたの名字先輩も引退かー、ライバル減って正直助かるー
生徒
マジそれなー中学から負け無しだったから、ホントバケモンだったよなー
生徒
怪我した時は、心配はしたけど、正直いなくなってくれた方がプレッシャーが減って楽だわー
こいつらマジで言ってる…??
待て待て、落ち着け俺…
完全部外者の俺がキレ散らかしたところで何にもならなんだろう…
あなたの名字のことそんなふうに言われるのはすげぇ腹立つけど!!
ある意味こんなヤツらがいる部活をあなたの名字が辞めてくれたことは良かったと思う。
研磨
クロ…顔に全部出てる…
黒尾
あぁん?!俺はお子ちゃまじゃないんで顔になんか出ませーーーん!!
研磨
そういうところだよ…
くそ、マジであなたの名字のことあんな風に言われんのは腹立つ!!!!
だいたいスポーツマンならあんな発言はすべきではない。
あなた
わぁー♡かわいいお店ー♡
沙織
でしょでしょー♡今日は私の奢り!!あなたのニックネームお疲れ様会だよ!!
あなた
えーーー?!いいの?!
沙織
なんでも好きなだけ頼んでいいよん♪
メニューがどれも魅力的で、ドリンクも美味しそう。
お店の雰囲気もカントリーチックで落ち着く。
オープンして間もないということもあり、お子さん向けに風船も配ったりしていて活気があった。
一通り注文して、私はクレープとコーヒーを頼んだ。
凄く楽しみでワクワクしてる。
その時、外から子どもの泣き声が聞こえてきてどうしたのかと思い沙織と店の外に出た。
あなた
何かあったんですか?!
母親
あ……ご迷惑おかけしてすみません…
実は、うちの子がお店で貰った風船を離してしまってあそこに…
子ども
びえーーーん!!ぼくの!!ぼくのふうせんがぁ!!びえーーーん!!
沙織
わぁ…なかなか高いところに引っかかっちゃったね…
見上げるとお店の前の大きな木に引っかかっていた。
あなた
ふぅ…よし!!
沙織
え、あなたのニックネーム?!
私は準備運動を始めた、しっかり筋肉と筋を柔らかくして、風船の真下に立って位置を確認した。
だいたい助走はこれくらいからかな。
あなた
よし!いける!
私は助走体制に入り、踏み込み位置で上にまっすぐ飛んで、風船の紐をガっと手に取って着地した。
子どもは何が起きたのか理解できてない様子だったけど、風船が戻ってきたことがわかるとまた大号泣して…
子ども
お、おねぇぢゃん…グズグズ…ありがどぉぉぉ!!
母親
本当になんとお礼を申していいのやら…ありがとうございます!!
あなた
いえいえ、いいのですよ!
僕、風船離しちゃダメだよ!あとお母さんの手も離しちゃダメよ!お姉さんとの約束!
子ども
ゔん!!やくそくする!!
一件落着したから店内に戻ろうとした時に沙織が物凄く心配そうな顔をしていた。
沙織
あんなにジャンプして大丈夫なの?!
あなた
あれくらいは大丈夫だよ!心配しないで!
俺らは目の当たりにした。
全国で活躍した選手の力を。
山本
おっ!!あの店じゃないっすか?!
夜久
おーすげぇオシャレ!って…ん??
研磨
アレって…あなたの名字あなたの下の名前じゃない?
黒尾
あいつあんな店の前でなにを…
次の瞬間、綺麗な助走フォームから踏切ってまっすぐ高く上に飛び風船を取ったあなたの名字の姿だった。
あまりのフォームの綺麗さに俺は見とれていた…
夜久
あれが全国区ね…
黒尾
俺やっぱり帰るわー!お前らだけで食って帰っていいぞー!
全員
えぇーーーーー?!?!?!
結局、音駒高校排球部は誰も食べずに帰りましたとさ笑
あなた
ふぅー、昨日のクレープ美味しかったなぁ♡今度いく時は違うメニューにしてみよっと!
昨日あのあとは沙織とクレープを堪能して、久しぶりにゲーセンで遊んで帰宅した。
部活してたから、なかなかこういうことできなかったから新鮮だった。
あなた
さてと、明日の宿題ももう終わらせたし家に帰ろうかな!
夕日が差し込む静かな教室で荷物をまとめていると…

ガラガラ…
黒尾
あなたの名字!!
あなた
え?黒尾くんどうしたの?!部活中だよね?!
黒尾
お前に言いたいことがある!!
あなた
え、何?…なんか怖いんですけど…
黒尾
お前…バレー部のマネージャーやらね??
あなた
へっ????
マネージャー????
それはあまりにも突然過ぎてポカーンとなってしまった。

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