カポーーーン…
湯船に浸かりながら今日学校で起きた出来事を思い出す。
黒尾くん…突然すぎるよ…
もちろん私はアスリートだったからいろんなことはわかってるつもり。
黒尾くんたちバレー部の力になることはできる。
でも…
いろんなことがグルグル頭の中を駆け巡る。
部活終わりの帰りの電車に揺られながら俺は今日あなたの名字を泣かせたことを猛省した。
そりゃそうだよな…
あいつが1番悔しいし、それに陸上は種目によるが個人技だ。
好きで跳んでたやつが、辞めざるを得ない状況になって大丈夫なわけがない。
とりあえず、伝えたいことはあなたの名字に伝えた。
あいつからアクションがあるまで待とう。
帰宅して洗濯物をバッグから引っ張り出したときジャージも一緒に出てきた。
今日勢いであなたの名字を肩車する時に貸した下のジャージ。
俺は手に取って見つめた…
いやいやいやいや!!!!
俺何考えてんだよ!!ただの変態かよ!!!!
それにしても…あいつ体重軽すぎだろ…
ちゃんと食ってんのか??
あーでも陸上部はみんなバレーと違って体重軽いし、付ける筋肉も違うもんな…
腕と肩に残るあいつの感触が離れない…
強豪校のキャプテンもちゃんと健全な男子高生であった…
翌日の夕方…
私たちは自転車を走らせて帰り道にある本屋に寄った。
沙織はファッション誌のコーナー行ってくると言って、私はスポーツ誌のコーナーへ。
手に取ったのはバレーボールの雑誌。
何冊かあってとりあえず3冊程手に取ってお会計に向かった。
まずは「知ること」が大事。
素人がいきなりマネージャーやったって、全国行くチームの支えにはなれない。
【俺たちは全国へ行く】
ルールも知らないんだもん。
図書室でバレーボールの本も借りたからルールは読めばイメージは湧くと思うけど、高校バレーにはどんなチームがいて、どんな選手がいるのかまでは把握しておきたい。
ひとまずお会計を済ませて店を出てから、沙織に昨日起きた出来事を全て話した。
一方その頃…
キュッキュッ…
バシッ!!
くそっ…俺としたことが…
今日はあなたの名字が見学に来るかもと思ってたのに、あいつ普通に1日接してきて、さっさと帰るし…
翌日…
よし!!あなたの名字が見学に来る!!
一歩前進だ!!
俺は机の下で小さくガッツポーズをした。
見せてやるよ、お前が知らないバレーボールの世界を!!
新しい世界を!!












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!