見たことのない、色気に満ちた笑みを浮かべた涼太がそこにはいた。
俺の世界だけ一時停止になったようで、体も動かず何もできない。
ただ、嫌なほどわかることは、体全体がどこからか溢れる熱に犯されていくことだけ。
期待…
…
俺の左肩には頭が前からもたれかかっていて、
俺の右手には左手が覆い被さっていて、
聞こえてくる声は、少しだけ震えていた。
涼太は顔を上げた。
グイッッ
覆い被さっていただけの左手は、俺の手を握り締めて強く引っ張った。
そして、もう一方の右手は俺の後頭部を引き寄せた。
俺の視界には涼太の顔だけが存在して…
低く重さを感じる声と言葉が聞こえてすぐに、
チュッ
俺の唇は奪われた。
俺達の関係性が明らかに変わったその日の夜。
俺達はベッドに横になっている。
涼太は俺を後ろから抱き締めている。
こんな状態では寝たくても鼓動が速くなってしまって寝られない。
恥ずかし過ぎる…
ちゅっ
キスされた…?
柔らかく、少し赤く染まった笑みを見せらる。
涼太は勢い良く俺の口を塞ぎ、少しだけ荒っぽいキスをした。
唇が離れると、涼太は俺を強く抱きしめた。
48位!!ありがとうございます!
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。