第15話

Ex. and 3 ︎︎js
308
2023/07/02 21:27








you
you
 まじか、





彼氏に浮気された最悪の日の翌朝


私はラブホテルの部屋で1人頭を抱えていた








いつもの目覚ましとは違って


ひとりでに目が覚めた朝


尋常じゃないほどの頭痛に岩が乗っかってるみたいな全身の重だるさ


目を覚ました瞬間、なんとなく


これただの二日酔いじゃないなって


布団の中を見れば、案の定何も着ていなかった







彼氏に浮気された憂さ晴らしで一丁前にワンナイって、笑えちゃう


相手誰だ、知らない人?


やばいほとんど昨日の記憶がない


てか今日仕事あるよね、







石みたいな体を起こしてサイドテーブルの時計を見れば


8:25を指す、不揃いな長さの針





you
you
 やっば 





とは言いつつ動かない体


…もういっか、どうせ間に合わない


夜に家出た時点で今日は仕事休もうって決めてた


気が、する






寝起きの掠れた声で具合の悪さを演出して


無断欠勤を回避して


ベッドに倒れ込んだ









何も考えずにぼーっと蛍光灯を見つめる


随分とチープなホテルだな、センス悪い






ふと、顔を横に向けてみると


テーブルの上に肩身狭そうにおいてあるメモ書き


少し近寄れば、手に取らずともわかった


見慣れた彼の汚い字








その瞬間、フラッシュバックする昨夜の記憶


走馬灯みたいに全部が頭を駆け巡った






そういやじそなと呑んでたんだっけ


そんで彼氏の話して、それで…









you
you
 … やっちゃった、



そこで冒頭に戻る








状況が把握できなくて


脳内が軽くパニック状態に陥る









ハニはここ最近1番仲良い友達で


そんな彼と酔った勢いでワンナイ?


ちょっと待って意味わかんない


あれなんでもういないの、あ、仕事か





てか「 本当にごめん 」てなに


私があんなボロボロで忘れたいとか言ったからで


でも確かにふっかけてきたのはあっちだったような…






…ていうか、意外と鍛えてんだな


唇ぷるぷるだったし、羨ましい








、、 そもそも彼はどこであんなテクニックを?


全然そういう話聞いたことないんだけど





you
you
 って何考えてんの!!




嘘だと思いたかったけれど


事後特有の全身の違和感が全てを物語っていて









彼氏を失った翌日に


大事な友達を自ら手放した気分は最悪だけれど







ハニの言った通り、浮気されたことなんて


頭から綺麗さっぱり無くなっていた






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