いつもの挨拶なのに声を張れない 。
多分 , まだ気持ちの整理ができてないから 。
私より先に来た千冬くんは寝ている 。
まるで私に " 話しかけるな " とでも言う様に 。
私は仕方なく自分の席に座った 。
千冬くんと席が前後なのが気まずくなってくる 。
え 待って 。落書きノート出す為に
引き出しに手入れたらなんか刺さったんだけど 。
なにこれ 。画鋲入ってるじゃん 。
しかも3個とかいう微妙な数 。
犯人絶対あの人達じゃん 。分かりやすすぎ 。
私に味方が居なくなったと思ってやってんのか 。
馬鹿すぎじゃない ? 頭悪すぎ 。
もっとバレない様にできないの ?
千冬くんにバレたら後悔するの君達だよ ?
そんなことを考えながら私は黙って画鋲を
教卓にあるケースにしまった 。
( キーンコーンカーンコーン )
出欠取った後の先生の話とか全く聞いてなかった 。
私の頭の中それどころじゃないし 。
因みに授業中も殆ど聞いてなかった 。
( キーンコーンカーンコーン )
↑ 学校の終わりのチャイムだよ
やっと終わった 。早く帰ろ 。
うわ … やば 。イタいな 。♡ 飛ばしてるし 。
え , なに 。藍葉ちゃんこっち見て
勝ち誇った様な顔してるんだけど 。
ま 、やっぱそーくるよね 。
卑怯な手使って私と千冬くんの仲裂いたくせに
調子乗って目の前で見せつけてくんなよ 。
ここで言ってもめんどうになるので
心の内に留めとく 。少しだけ藍葉ちゃんに
嫉妬しているのは内緒だ 。
ま 、そんなこと気にする暇も無いくらい
楽しみなことがあるの !
だって … !!!
( ピンポーン )
私の目の前に出てきた子と遊ぶから !!
𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。