晴れていた空が突然暗くなって
雷雨になったかと思えば、
今はすっかりやんで
穏やかな光が雲間から差し込んでいる。
めまぐるしい天候の変化に、
俺は呆然と窓の外を眺めていた。
抱きしめていた腕の中で、折原が動いた。
泣いた後の真っ赤な目。
その目は、不機嫌さも何もない、
迷子の子供のような目だった。
小さく問いかけられた言葉。
俺はすぐに頷いた。
素直な気持ちを言葉をそのまま伝えた。
ここは深く考えないで言った方が
いいと思ったから。
宣言するように、
はっきりと言い放つ。
なんて言われようと、
俺が『ナチュラルデイズ』に救われていたのは本当。
ずっと寄り添ってもらっていたんだ。
呟いた折原は、
立ち上がって窓の外を見ると目を細めた。
何があるのだろう?
そう思って俺も同じ方向を見ると、
そこには並んで歩く三葉と真斗の姿。
嬉しそうに笑う三葉と、
そんな三葉を優しく見つめる真斗がいた。
二人は、しっかり手を繋いでいる。
漫画で真斗は三葉の強さに惹かれていた。
この世界でも、
展開は違えど諦めずにアタックを続けた三葉の前向きさと強さに、
真斗は惹かれたのかもしれない。
幸せを具現化したような二人を見守っていると、
ふ、と笑う声。
俺の隣では、
同じく二人を見ていた折原が微笑んでいた。
物騒な言葉とは裏腹に、ひどく優しい声だった。
首を傾げると、折原の視線が俺に向けられた。
今まで向けられたことのない、
優しく穏やかな眼差し。
意味深なその言葉の真意を尋ねようとした。
だけど、口を開く前に
ジジッとの目の前にノイズがかかって、
俺の意識はぶつりと途絶えてしまった。














編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。