第10話

9話 リ・アゲイン?Re Again……!
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2024/04/21 16:10
とある男性
とある男性
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!
神様
うるさいぞバカタレ!!!!
とある男性
とある男性
ほぎゃあす!?
俺は……セミの幼虫ことノコノコ……だったはずだが?

つい先程謎のノコノコ食マンズ共から酷い目に合わされてた俺……と猫と友達。

しかし、俺が次に目を開けた瞬間、見知らぬ場所にいた。

床は雲のような模様で、周りは空のような透き通った水色が全体で覆われている。
そこにぽつんと、如何にもな白髭のおじいさんがいた。

神様
のう!!毎回毎回毎回毎回毎回毎回毎回毎回!!いい加減にいい!!せんかああああああ!!
白髭のおじいさんは手に持ってる杖のような物で俺をバカスカと殴ってきた。
とある男性
とある男性
ほぎゃああああああす!!?
一体何が起こってるんだ!?
なぜ俺は殴られてるんだ!?

俺の疑問を答えるかのようにおじいさんは次第に愚痴のように漏らし始めた。
神様
お前らが会いたいなんて願ったせいでロマンチストなワシはお前らのために再会させようとしたのにい!!
それなのにい!!なんじゃきさまああああああ!!
とある男性
とある男性
痛い痛い痛い殴らないでねえ殴らないでよお!!
神様
それを何回も何回も何回も何回も何回もお前がヘマして死ぬせいで結局会えず仕舞いじゃないかあああああああああああ!!
とある男性
とある男性
ちょ、それは俺あんまり悪くなくて、てか、ほぼ運だろうがセミの幼虫が生き残るなんてよお!
神様
知るかい!!お前は運の悪いとか言い出すが、結局いつでも死ぬのはお前自身のせいじゃ!!わしが何回生き返らせてやったか分かってるのか!?ええ!?
ふう、ふう、とおじいさんは息を吐かながらどうにか落ち着いたらしく、その場でドシンっ!と音を経てながら座り込んだ。

俺はやっと理不尽な暴力から解放されホッと息を着くが、向こうは怒りながらこう続けてきた。
神様
30.644.076.365回
とある男性
とある男性
ん?
神様
この数字がなんなのか、まあお前は覚えてないだろうな、だってわしが記憶消したんだから
……?

いまいち話が見えてこない。
神様
お前が死んで、生き返った。
その数だよ
とある男性
とある男性
……??
つまり何が良いんだろうかこのおじいさんは……。
俺がそんな……300億も死ぬようなハメを……え、てか300億?
死にすぎじゃない?ていうか俺そんな死んでたの?てか、生き返ったってどゆこと?
俺はひどく混乱した。

しかしおじいさん(……いや、この感じはもう……明らかに神様っぽいから神様でいいのだろうか?)は混乱する俺を置いて続ける。
神様
お前は何度も違和感を感じたはずだ。
その違和感こそが、わしが消したお前の記憶の一部だということだ……
とある男性
とある男性
と、言いますと?
神様
例えばだが……お前がノコチーとやらを助けるために無策で突っ込んだ際に、お前はどう思った?
とある男性
とある男性
どうって、そりゃ許せ……あ
あれはそういうことか……。
神様
諸々の説明は省くが、前の記憶が蘇るなんてことはあり得ない。しかし、数億回繰り返したせいでお前の奥底に眠る前の記憶を持ってるお前が脳に問いかけたのだろう
とある男性
とある男性
え、ちょ、すごいややこしいんですけど要するに俺の脳に俺が語りかけたって解釈でいいんですよね?これも大分意味不明ですけど
俺はてっきり神様が語りかけてきた……いや、アレは忠告か?忠告しにきたのかとおもったけど、俺だったのか……。

神様は続けて話す。
神様
お前の記憶を封じる他に、何回かペナルティも与えた。
セミに関する記憶、運値、痛覚等、知覚変化
とある男性
とある男性
痛覚……ああ……そういうことだったのか
神様
左様。
ノコチーとやらもお前のペナルティの影響であのような異様なセミとなったのだ
とある男性
とある男性
俺のせい……
ならノコチーは……俺が殺したも当然か。
ひどいことをしたな、あいつも俺に出会ってなかったら普通のセミとして生きてたはずなのに。
神様
ようやく事の大きさに気付いたか
とある男性
とある男性
ちょっとだけはね
神様はゴホンッと喉を唸らし、改まって俺に向き直り話を始めた。
神様
お前と、お前の彼女が来世でも会いたいと願った。
その願いはわしに届き、そして、わしはそれを条件付きで叶えた。
理由は二つで、一つはわしがロマンチストな神様なのでお前達の行動に何処かくるものがあったのでな。
もう一つは単純に興味だ。
とある男性
とある男性
興味?
神様
まあいろいろ。
来世は一緒と言うが、これがお互い別種族だったらどうする?
とか、
距離を離して転生させたらちゃんとあえるのか?
とか
神様
要するにわしが今回お前達を目につけたのはそういう理由だ。
言っとくがお前達に以前同じ説明をしてから承諾を貰って始めたんだからな?今回の件
とある男性
とある男性
はあ、承諾、すか
神様
まあ覚えとらんだろうな。
全く……お前ときたら……彼女はあんなに健気で乙女で……ああでも冷たいからわし的にはつまらんかな
とある男性
とある男性
人のマイハニーの悪口言うな!?
神様
うるさいぞ馬鹿め、いちいち反応するな、餌を見た猿か??
まあいい、条件付きのことだが
神様
一つは、先ほども言ったようにお互い距離を離して、お互い何処にいるかも分からず、お互い別種族で、お互いの名前を忘れた状態で、そして……死ぬたびにペナルティを課す
神様
ペナルティの発生はわしの気まぐれで、内容もまたわしの気まぐれだ。
これをお互いが来世で満足の生き方をすれば、願いが叶ったとみなして後は自由にどうぞ
というわけだな
とある男性
とある男性
……
とんでもないな。

本当。

お互いが来世で満足の生き方をする。
これが、例えば俺は彼女と会えば満足した、と仮定するとこの繰り返しから解放されるわけだが……。
仮にあの猫が彼女なら、それは叶ったと言えるのだろうか?
俺はただ、会うだけで満足するのだろうか?
違うだろうな。

会うだけなら何億も繰り返す必要もないだろうし、じゃあ一体なにか?

遊びたい?何処かに行きたい?
恐らくどちらかだ。
それを叶える為に俺は何回も死んで生き返ってを繰り返したのだろう。
神様
はあ……それを何回も何回も死によって……おかげでペナルティを与える内容ももうネタがないし、彼女の方も可哀想でわし見てらんなかったわ……
とある男性
とある男性
そりゃあんたが俺をセミに転生させるから……あ、ていうか彼女もペナルティ受けてるの?
神様
これはわしの中で決めてたことなんだが、寿命死の場合は免除してやってるから彼女の場合はほとんど寿命で死んでおるから受けておらんな。
とある男性
とある男性
は?????
神様
は?????じゃないわボケ!!
お前が情けなく何回も死んでるだけで、彼女の方はちゃんと生き残ってるぞ。
まあお前が先に死ぬから……中々会えず、20年近く寿命を消費してからちゃんと死んでおったな。
わしが言うのもなんだが、自害でもせんかぎり猫としての天寿を全うしてから死ぬを何億も繰り返しとったら人間なら簡単に気が狂うだろうな
俺は開いた口が塞がらなかった。

__まじで?
約20年×約300億だから……単純に計算すると、え、約6千億?
は??

途方もない数すぎて、逆に何がどうなってるのか……俺には想像もつかない。
とある男性
とある男性
……本当に、マイハニーはその、6千億繰り返して……?
神様
そうじゃ。
約、な?
勿論彼女の方も事故死等をしておるから、想像よりかはちょっと少ないかもだがな
とある男性
とある男性
目眩がする
神様
だろうな……はあ、彼女も災難だよほんと
とある男性
とある男性
なあ、だとしたらますます意味わからないことがあるんですけど
神様
どうせセミに転生したことについて、だろ
とある男性
とある男性
だってさあ!せめて、俺は猫、あ、いや別種族が条件だったな……だったら犬にしてほしかったよ……!
そこをなんで……なんでセミなんだよ……!
すると神様はまた、俺を杖で……今度は、頭をボコンと軽く一回たたいた。
神様
バカモノ
その声はなぜかスッと頭に入ってきて、まるで親が子を叱る時のそれと似ていた。
神様
人間よ。
お前には何度もチャンスを与えた。
それをまだ望むというのか?これ以上何を願う?
今度は犬になりたいか?
そしたらお前の彼女とやらはどうなる?
とある男性
とある男性
報われない、か
神様
まあおまえがそんなにも犬になりたいなら、そうするとよい。
わしはお前のことなんか知らん。
ただし、彼女の方はまだまだやる気みたいだから意味もなく転生させるがな

勿論お前の前世の記憶は消された状態だから、例え犬になったお前と彼女が出会ったとしてもお前は知らない状態だ。

さあどうする?
どうする、か。
そんな事を聞いて、わかっているくせに……この神様も嫌なやつだな。
いや、いいやつか?
でもやっぱりセミに転生させたのは気に食わないから嫌だな!!
とある男性
とある男性
まだ続ける
神様
ほう
とある男性
とある男性
続けるけどまず気持ちの整理してきていい?
神様
ん?んー……
そう言うと、神様は角の方を指指す。

ああ、そこ行けってことね。
ありがたい。
あと耳を塞いでほしいけど、まあいいや。

俺は神様に従って、そこにトボトボ歩いて座りこむ。





*




俺は名前を忘れた前世人間の男。

現在とんでもない理不尽に巻き込まれ中。

気持ちの整理をするとなると、やはりまずすべきことは一つ。
とある男性
とある男性
……うううううう
俺は声を上げて泣いた。
泣きに泣いた。
涙が頬から伝って雲みたいな地面に落ちるくらい泣いた。

神様の部屋(?)で真実を知るというイベントに対して、かなりショックを受けた。

一番ショックだったのが、やはり彼女。
俺がヘマをしたせいで、想像よりも遥かに苦しい状態に陥ってたのだ。
無限地獄といっても過言じゃない。
その状況に追い込んだのも俺だ。

どんな気分なんだろうな。
何度も何度も探したのに俺が先に死ぬせいで、結局会えず仕舞いで次はあそこを探そうとか次は遠くに行ってもーとか、色々探してくれたんだろうな。
よくよく考えるとあんなに身体中がぼろぼろだったのも遠く離れた場所から俺のいる公園まで頑張って特定して来たんだろうな。

そんで……せっかく会えたのに、俺がやらかしてまた最初から、か。

胸糞悪すぎる。
俺が他人ならまず俺を批難するだろうな。

俺が彼女なら、殴ってるだろうな。

それを、彼女は……。

ごめんね、と。

とある男性
とある男性
ごめんねは……俺のセリフなんだよ……!!
むしろ土下座案件だな。

それはさておき……

多大な情報量のせいで結構なダメージを受けたが……いつまでも泣き続けるわけにはいかない。

流す涙を手で強引に拭って、再びいざ神様の元へ……。




*




神様はずっっと俺を見ている。
真顔で、両手で杖を持って、如何にもな貫禄を出しながら俺を待っている。

俺は速やかに神様の元へと駆け寄る。
とある男性
とある男性
すみません落ち着きました
神様
そうかい。
して、どうする?
神様の問に俺は答えた。
とある男性
とある男性
まだ、やります
とある男性
とある男性
セミでもなんでも受け入れます
神様
だから続けさせてください!か
とある男性
とある男性
お願いします……!
何回も何回もやり続けますんで……!
無意識に頭を下げた。
しかし神樣の予想外の答えに俺は度肝を抜かれる。
神様
あと一回だけ、な
とある男性
とある男性
神様
聞こえなかったか?

あと、もう一回、だけ、OK?
とある男性
とある男性
え……。
急にどうしたんだ……?
何があと一回なんだ?
いや、分かってるけど、頭が理解を拒んでいる。

まさか、嘘だよな?

なんで今になって、あと一回なんだ?
神様
正直に言ってよいか?
とある男性
とある男性
え、待って聞きたくないんだけど
神様
何度も何度もチャンスを与えてやったが、もうそろそろ我慢の限界なんだよわしも。
ペナルティを与えすぎたのもあるが、もう何やってもお前は詰みに近い。

覚悟を見させてもらったところ申し訳ないが、次がラストだ
とある男性
とある男性
……
深くため息を付いてしまった。
本来ならため息を付くべきは神様の方である。

しかし付かずに居られず、このやりきれない気持ちをどうしようかと悩んでいる。

勿論転生は続ける。
しかし、次でラスト。

せめて次は別の生物になりたいです!はもう通用しないことがわかったので、どうすればいいのか悩んでいた。

何か抜け道はないのか、それともう一つ転生したら何をすべきか。
とある男性
とある男性
神様
神様
改まってどうした?
とある男性
とある男性
本当に最後なの……?
神様
男の上目遣いなんかわしは好きじゃない、やめろ
とある男性
とある男性
チッ
神様
おい今舌打ちしたな?
問答無用で次はミジンコに変えてやってもいいんだぞ??
とある男性
とある男性
わあああああああああああああああああ嘘です嘘嘘ウソウソ!

……でもお願いがあります
俺は一呼吸を置いてから、無理難題を神様に伝えた。
とある男性
とある男性
次がラスト。
それは分かりましたし、受け入れます。

でも、次が終わったらその次があるのかどうか、それは教えてください
神様
というと?
とある男性
とある男性
次の俺……セミの俺が終わったら、次はちゃんと転生出来るんですよね?それが前世での願いとか関係なく
神様
それは勿論できるぞ
それが輪廻転生におけるルールなのだからな
とある男性
とある男性
そっか……それがわかれば……
神様
……なにか甘ったれた考えが見れるが、勿論記憶は
とある男性
とある男性
分かってますよ、消えてるんですよね?

それでも構いません。
出来ることが分かったならそれでもう充分です
覚悟を決めた。

俺はもう一度セミとして転生する。

最後のセミ生をどうするか、俺は今一度よく考えることにした。

復讐か、それとも彼女か。

復讐するのはあの二人の人間。
内容はこれから考えるとして、全力で奴らに復讐をする。

そして……今回彼女と出会えることがこの先ある、という事を把握したので、あらゆる死亡要素を回避していき彼女と残り少ない時間を過ごす。

この二択に限られる。





今一度、よーーーく考えるんだ、俺。

どっちが幸せで、どっちが満足できて、どっちが成功しやすいのか。

神様
……さて、その顔は決心したようじゃな
神様
しかし、その前にお前の考えを聞いておきたい
とある男性
とある男性
考え……か
神様
今回も無様に死ぬ事は絶対にやめろ、まじで、それだと本当につまらなすぎるからな。

だから……だ
神様
いまお前が頭に浮かんだ選択肢は二つだったな……
神様
復讐
彼女

果たしてどちらを選ぶつもりだ?
とある男性
とある男性
そんなの決まっている。

俺は……
神様の厳かな眼差しに俺は背筋をのばして、はっきりと答えた……。









【次回10話】




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