第54話

37.自我
1,399
2025/06/15 03:20 更新
あなた
……、んぅ…
日光がカーテンの隙間から差し込み

その光で目が覚めた。
あなた
……ふぁ…ぁ
まだ完全に開かない目を擦りながら

ベッドから立ち上がろうとした瞬間
あなた
……ぅ"、っ…
強烈な吐き気と頭痛が

身体を襲ってきた。
あなた
…ぉ"ぇ"、
身体が言う事を聞かなくて

痺れたように 震えて動かなくて


もう、その場で吐いてしまった。
あなた
はぁはぁ……
これも、自分を傷つけた私への罰なのだろうか
単なる、異能力の呪いなのか


それとも

あの子を守れなかった

私への恨みなのか
『あなたの下の名前ちゃんっ!』
あなた
……
やっと、思い出したよ


夢に出てくる 君の事



逆に

どうして思い出せなかったのだろう





忘れちゃダメなのに



私のせいなのに

















こんな私でも

許してくれるかな


























ごめんね























深月みづきちゃん
……それで良いんだよ

































深月みづき
あなたの下の名前ちゃん
あなた
っ、!!
布団からガバっと起き上がり

目を覚ました






さっきのは…夢だったんだ
朱炎シュエン
ぉわっ、急にどうしたの…?
あなた
…っ…!朱炎……!
私は朱炎の両手を握り

涙を堪えて、朱炎の目を見ながら言った
あなた
ごめん…!
私…朱炎に…酷い事…!!
朱炎シュエン
んぇー?
あなたの下の名前はそんな事してな……
最初はヘラヘラしていた朱炎だが

段々と、目を大きく見開いて…手も、プルプル震えてて…

力が込められていることが伝わった。
朱炎シュエン
あなたの下の名前……記憶…!!
あなた
…!戻ったよぉー!!
朱炎に言いたいことが直ぐに伝わり

私は嬉しさで朱炎に抱き着いた。
朱炎シュエン
痛って……
朱炎シュエン
…っそれより!…ホント…!?
あなた
ホントのホント!!
勢い余りすぎて朱炎の背中が床に衝突したけど

朱炎はそれより…!と話を切り替えたから

気にしてないのだろう
朱炎シュエン
私も…ごめんね…!
私…あなたの下の名前の事……ナメてた…!
あなた
…ていうか……押し倒してゴメン…
朱炎シュエン
そんなことより!!
朱炎はパッと立ち上がり

私と至近距離になった。
朱炎シュエン
今…!メッチャ嬉しいんだからね!私!!
さっきの私のように

気にしてないと言わんばかりに

朱炎は私の両手をギュッと強く…だけども優しく包み込んだ
あなた
…!!
朱炎シュエン
良かったぁ〜!!
赤は笑顔でクルクル飛び回り

上機嫌なよう。

そんなに想ってくれてるんだ…と認識過剰な気もするが

喜んでくれてるから、単純に受け取ろう。
あなた
……ねぇ…相談なんだけどさ…
朱炎シュエン
ん?!何々!?
今の私、上機嫌だから何でも聞いてあげる!!
あなた
あ…いや……
あなた
……ユウマ達に…なんて言おっかな…って
朱炎には…ノリでというか…勢いで言っちゃったけど…

ユウマとか父さんとか、博士とか……

……すっごいよそよそしい態度とっちゃったし…
朱炎シュエン
もー!そんな事!?
朱炎シュエン
ズバッと言っちゃえよ!!
あなたの下の名前の言いたいこと!
あなた
……、そうだね
……やっぱ、それでこそ朱炎だよ。
あなた
ありがと、ちょっと言ってくる。
朱炎side

あなたの下の名前が出ていったこの部屋で

私は一人、佇んでいた。
朱炎
…ホントに……
これで良かったのかなぁ…


























朱炎
…稀碧





稀碧メア
……文句は受け付けないぞ
朱炎
文句…っていうかさ……
朱炎
…あなたの下の名前……言わないでっていってたじゃん
稀碧メア
ハルトが知ってるなら
別に増えても変わらないだろ。
朱炎
……ハルトには…流れでさぁ…
…隠すもクソも無かったけど…
朱炎
……確かに、あなたの下の名前の信頼する人達に
過去を…気持ちを知ってもらうことで
昔から抱えてた呪いの重みは減った。
朱炎
……でも…
稀碧メア
あのまま放っておけと言うのか?
稀碧メア
彼奴あなたの下の名前が崩れていくのを
黙って見てろと言うのか?
朱炎
……それは…本当に、あなたの下の名前が望んだ最後だった?
朱炎
…あなたの下の名前は……





















朱炎
自分の意思で
記憶を消したんじゃなかったの?

稀碧メア
…終わり良ければ全て良し、と言うだろ。
稀碧メア
あなたの下の名前は何も知らなくていい。
 
稀碧メア
……知らない方がいい事もある。

朱炎
……そ、
朱炎
……まぁ、あなたの下の名前が幸せなら…いっか




朱炎
…あなたの下の名前は……
朱炎
自分の幸せを…
押し込んでるもんね

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