第53話

無駄な抵抗はやめな?
563
2021/10/15 09:00
松音side
──情報管理室前
松音
松音
ハァッ……ハァッ……
カラ松兄さん置いてきちゃった……
すごい苦しそうだったのに……カラ松兄さんに逃げろって言われたから……
あのカラ松兄さんが余裕無いってことは……やっぱり…
今回の相手、相当ヤバい人達だ……
とりあえず…
松音
松音
“”おそ松兄さん?””
おそ松
おそ松
“”松音、状況は””
松音
松音
“”カラ松兄さんと会えたよ””
おそ松
おそ松
“”……その言い方、なんかあったな?””
松音
松音
“”今回の相手も一緒に来た””
おそ松
おそ松
“”どんな奴だ””
松音
松音
“”カラ松兄さんにそっくりな人だった””
おそ松
おそ松
“”カラ松にそっくり……””
おそ松
おそ松
“”カラ松本人は?今居ねぇの?””
松音
松音
“”私を庇って今戦ってる、すごく苦しそうだった””
おそ松
おそ松
“”どっか致命傷やってたとか?””
松音
松音
“”いや、血は流して無かった””
おそ松
おそ松
“”苦しそう……ねぇ……””
おそ松
おそ松
“”なんか他に情報は?””
松音
松音
“”ごめん……今はこれしか……””
おそ松
おそ松
“”そっか、あんがと十分よ””
チョロ松
チョロ松
“”そのカラ松もどきが言ってたこと覚えてる?””
松音
松音
“”言ってたこと……””
チョロ松
チョロ松
“”うん、なんでもいい、どんな些細なことでも””
松音
松音
“”偽物はお前らだ、って言ってた””
チョロ松
チョロ松
“”ふーん……他は?””
松音
松音
“”カラ松兄さんが助けに来てくれた時、よくそんな状態で動けたな、今すぐ後ろの女を襲いたい程耐えられないんだろう?……って言ってた””
チョロ松
チョロ松
“”……それって……””
獣神茉
獣神茉
あはは〜そんなとこに立ち尽くしていいんすか〜?
松音
松音
……!
獣神茉
獣神茉
それっ!!
.:*:。∞。
何か攻撃が来る……避けないと!
私は咄嗟に地面に転がった
   ドゴン!!
後ろで衝撃があったと思って、後ろを振り返った
松音
松音
え……
そこにはありえない光景があった
壁が粉々になって、鉄格子が丸出しになっていた
今の拳でこんなに……能力……だよね
獣神茉
獣神茉
駕洛茉にーさんがどっかいっちゃったから探してるとこなんすよ〜そしたら茉ねーさんにそっくりな人いたからラッキー!
獣神茉
獣神茉
だって捕まえればおれの仕事終わりだもん!
十四松にそっくりな人は満面の笑みを浮かべてこっちを見てきた
顔は笑ってるのに、目が笑ってない……
松音
松音
っ……
そもそもこの人達はどうやってこのアジトに侵入したの
周りにはトラップ、防犯カメラだってある
なのに一切警報が鳴らず、今こうして不利な状況にいる
獣神茉
獣神茉
そろそろいーっすかね〜茉ねーさんの偽物前にするの……
獣神茉
獣神茉
すっごい気分悪い……
松音
松音
ゾクッ…!
雰囲気が変わった瞬間、こっちに向かって走って来た
止めないと……捕まる…!
✩⋆*॰¨̮⋆。˚【バリア】
私はバリアを十四松にそっくりな人の周りに作った
獣神茉
獣神茉
ゴチン!【頭ぶつけた】
松音
松音
…!
獣神茉
獣神茉
い……い………
い…?
獣神茉
獣神茉
いたぁーい……‪( ;ᯅ; )‬
松音
松音
あ……わ………
はっ……ダメダメ!!この人は十四松じゃないんだから!
騙されちゃダメ……
獣神茉
獣神茉
ぅ〜……もぉー!!!!
.:*:。∞。
   パリーン!
えっ……バリアが………!
獣神茉
獣神茉
痛いの嫌い!!
まっすぐ私に向かって走って来た
ヤバい……もう防ぐ術が……
逃げるしかない…!
✩⋆*॰¨̮⋆。˚【バリア】
私は、平らなバリアを作って、その上に乗った
このスピードに追いつけるのは、本物の十四松だけだ!
私はものすごい速さでその場を離れた






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──3階
みんなの部屋があるフロアに来たや否や
キツい匂いが充満していて、立っていられなくなった
松音
松音
っー!?
着地が上手くいかず、身体を強く打ってしまった
松音
松音
こ……の、におい……
私がこんなになるのなんて1つしかない
オメガの匂いだ
そしてこの状況、嫌な予感しかしない
身体……動け……
茉禰
茉禰
ほんとにオメガの匂いでダウンしちゃうんだね、ベータの癖に
松音
松音
…!
茉禰
茉禰
やっと会えたね、マツノ
どこかで感じたことのある視線
何か知ってる、嫌な笑み
それから私にそっくりな容姿
侵入して来た……敵だ……
茉禰
茉禰
グイ
松音
松音
わ…
茉禰
茉禰
あー、無駄な抵抗はやめな?
茉禰
茉禰
怪我・・が増えるだけだよ
松音
松音
……?
どうせ力も入らないし
連れて行かれるまま、いっくんの部屋に入った








そこには、頭がクラクラする程
いっくんのフェロモンが広がっていた
松音
松音
ぅ……
おかしい……いっくんのヒートはあと1週間後のはず
1日2日は前後する場合はあるけど、こんな1週間ズレることはない
しかもこのタイミング……なんで…
一松
一松
あぁっ……はっ……///
松音
松音
いっくん!
そこにはカラ松兄さんの服に包まったいっくんの姿があった
カラ松兄さんが苦しがってたのって……いっくんのヒートが原因だ
茉禰
茉禰
トンッ
松音
松音
わっ…
ドサッ
背中を押され、踏ん張る力も無く、その場に崩れた
茉禰
茉禰
精々頑張ってね、マツノ
そう言って不敵な笑みを浮かべた後、扉が閉まった
松音
松音
えっ…
嘘でしょ……
私はその扉に近づくも、扉が開くことなく
閉じ込められてしまった
まずい……いっくんのヒートに当たってると……
力が………
松音
松音
っ…
私は立つことも、起き上がることすらままならなかった
誰か……助け……





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リオン
リオン
終わり〜
トド子
トド子
なかなかヤバいわね
澪音
澪音
やっぱり正解だったな
リオン
リオン
まぁ別にこれくらいはいいよ
トド子
トド子
澪音次無いの?
澪音
澪音
気になるのだったら
リオン
リオン
ちょっと待て、なんか次のはダメな気がするからやめろ
トド子
トド子
え〜なんでよ
澪音
澪音
今思ってるのは現実にならなきゃいいと思ってる
リオン
リオン
何を考えてるかわかんないけど救われるといいね
トド子
トド子
というかこれ次回怖いんですけど
リオン
リオン
んー……まぁある意味怖いですかね
トド子
トド子
え〜ヤダ〜
澪音
澪音
はぁ、もう無いですかね
トド子
トド子
うんっ
リオン
リオン
じゃあ締めます!
リオン
リオン
次回!『お座り』
リオン
リオン
ここまで!
トド子
トド子
見てくれて!
澪音
澪音
ありがとう

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