第5話

⑤🐿️(2/4)
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2025/07/02 11:29 更新
練習が終わり解散すると、まっすぐ最寄りの薬局へと向かった。風邪薬やスポーツドリンク、プリンをカゴに入れ、冷えピタ、体温計、使い捨てのマスクなど、まるで「看病セット」を揃えるかのように、次々と必要なものを買い込んでいく。
普段の自分なら、こんなに甲斐甲斐しくなることなんてないのに、彼女のためだと思うと自然と体が動いた。

両手にレジ袋を下げて、彼女の玄関の前に立つ。少しばかり緊張しながら、インターホンを鳴らした。いつも元気な彼女の声が、今日はどんな風に聞こえるだろうか。

「……はい」

か細い、少し掠れた声が聞こえて、胸が締め付けられる。自分が来たことで無理をさせることになるのでは…と一瞬罪悪感がよぎった。

「僕だけど。お見舞いきたよ〜」

「え…ハン?」

驚いたような声が聞こえた後、ガチャリと鍵を開ける音がした。ゆっくりと開いた扉の向こうには、パジャマ姿の彼女。

いつもはきちんとメイクをして、おしゃれな服を着こなし、バリバリ働いている彼女からは想像もつかない、無防備な姿をしている。

冷えピタをおでこにつけ、寝起きのせいか少しぼさついた髪が、幼さを引き立てる。

そんな彼女の姿を見た瞬間、心臓が大きく跳ね上がった。

(やっば…何これ、可愛すぎでしょ…)

思わず抱きつきそうになったが、なんとか堪える。熱で少し潤んだ瞳が自分を真っ直ぐ見上げていて、その視線に、さらに心臓の鼓動が速くなるのを感じた。

「あ、私……」

慌てて前髪を直そうとする彼女の手を取った。熱を帯びた指先が、手のひらにじんわりと温かさを伝えてくる。

「いいから。体調はどう?…とりあえず、中に入ってもいいかな?」

彼女の背中にそっと手を添え、ゆっくりと部屋の中へ促した。

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