第2話

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2026/01/18 12:48 更新
???
姫様、ご無事ですか?


アナスタシアは目を開けた。


柔らかな苔の匂いが鼻腔をくすぐる。


目の前には、小さな光がふわふわと浮かんでいた。


ホタルのような淡い輝きを放つのは、妖精たちだった。

アナスタシア
アナスタシア
ここは…?


彼女は混乱しながら周囲を見回した。


深い森の中、清らかな泉のほとりに立っていた。


満天の星空が頭上に広がり、

木々の葉が月光に照らされて銀色に輝いている。

オリー
お帰りなさいませ、姫様


穏やかな声が響いた。


白髪の屋敷しもべ妖精が杖をつきながら近づいてきた。


古めかしい宮廷服を纏い、厳格な表情をしている。


だが、その瞳には

深い哀しみと安堵が混ざり合っていた。



オリーと呼ばれる教育係のしもべだった。

アナスタシア
アナスタシア
オリー……お父様とお母様は?


アナスタシアの声は弱々しかった。


まだ夢の中にいるような感覚が抜けない。

オリー
………姫様

オリーは短く告げ、膝を折って頭を垂れた。
オリー
アウレリア王国は……もう……
アナスタシア
アナスタシア
そんな……嘘!


少女は足元が崩れるような感覚に襲われ、

泉の縁に崩れ落ちた。


涙があふれ、黄金の雫となって水面に落ちた。


波紋が広がると同時に、

金色の花弁が水面に浮かび上がった。

ネリー
姫様!お止めください!


隣りにいたもう一人の屋敷しもべ。


ネリーが慌てて駆け寄る。


小さな手がアナスタシアの目を覆い、

能力を封じようとした。

ネリー
力をお使いになれば、御身が……!
アナスタシア
アナスタシア
でも……でも…!


アナスタシアは震える肩を抱えた。


嗚咽が喉の奥で詰まり、息がうまくできない。

アナスタシア
アナスタシア
私……一人ぼっちなの?


突然、大きな蹄の音が森に響き渡った。


深い森の中から、優美な姿が現れる。


銀色の鬣を持ち、

透き通るほど美しいユニコーンだった。


セレーネ——
王家の守護獣として長く仕えてきた牝のユニコーンは、

ゆっくりと娘の傍らに寄り添い、頬を舐めた。

アナスタシア
アナスタシア
セレーネ……


その温かな感触に、アナスタシアはさらに涙を流した。


涙がセレーネの鼻筋に触れ、角が淡く光る。

ネリー
ご案内致します


ネリーが再び頭を下げた。

ネリー
館にてお休みください。そこなら安全です


セレーネが先導し、アナスタシアを背に乗せた。


ネリーは魔法で灯りをともし、森の小道を進む。


森の奥からは様々な鳴き声が聞こえてきた


—妖精の囁き、狼の遠吠え、

そして聞き慣れない鳥の歌。

アナスタシア
アナスタシア
みんな…

アナスタシアは囁いた。
アナスタシア
アナスタシア
みんなは……逃げれたの?
オリー
私達は元々この屋敷を守るため、
ここにいました……

オリーは沈痛な面持ちで答えた。
オリー
しかし多くが王国のために城へと戻って…


アナスタシアは唇を噛み締め、何も言わなかった。


セレーネの背に揺られながら、夜空を見上げた。


雲一つない星空が広がっていた。



まるで王国の星空が移り住んだかのように、

同じ星座が瞬いている。

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