第56話

41話
467
2025/04/03 00:31 更新
だんだんみんなの声が近くなる

私を呼ぶ声

私の名前を…




























なんで素直になれなかったんだろう


























手を差し伸べてくれてたのに

















声をかけてくれてたのに




















気にかけてくれてたのに


























なんで






















あぁ、なんで今そんなことを思ってしまうんだ















決心した




言うって決めた


もう迷わない









それなのに何をそんなに怖がっているんだ
御子柴賢太
御子柴賢太
!!
(なまえ)
あなた
…あ
会場の外に出てきた賢太と鉢合わせた


私、今どんな顔してたっけ
普通にできてた?

いつも通り?

怖い



言えな…
御子柴賢太
御子柴賢太
の野郎
(なまえ)
あなた
御子柴賢太
御子柴賢太
テメェはアホか?!!
どこ行ってたんだよ…!お前のその行動で俺らがどうなるか分かってねぇのか?!連隊責任取らされんだぞ?!
何して…た…
おま…その痣…
今まで以上の勢いに気圧される

だが、すぐ痣に気づいたようだった
(なまえ)
あなた
御子柴賢太
御子柴賢太
黙ってんじゃねぇよ
その痣…なんだよ
言え

言うんだよ




(なまえ)
あなた
なんで言えないの?

口にしたいのに

言いたいのに





怖い



見放されるのが


1人になるのが



こんなにも怖い
犬飼憂人
犬飼憂人
!あなたさん…!!!
どこに行ってたんです?!
心配したんですよ…!!なんでこんなこと…
……え、どうしたんですか?その痣…
甲斐田紫音
甲斐田紫音
…あなたちゃん、前の痣と同じだよね…それ
土佐凌牙
土佐凌牙
な、なんで喋んねぇんだよ
(なまえ)
あなた
犬飼憂人
犬飼憂人
え?
(なまえ)
あなた
…怖いんだよ
どうしたらいいか…わかんない
こんなに泣くことが簡単だなんて

自分の意思とは真逆に
止まれと思う涙は溢れる
目頭が熱くなって
喋りずらい

そっか


そういえば涙って温かかった
犬飼憂人
犬飼憂人
っ…!




もっと



もっと早く言えば助けてくれたのか




犬飼憂人
犬飼憂人
何で黙ってたんですか…
こんなになるまで…どうして…
犬飼は私の目の前まで来ると膝をついた
私と目が合うように
(なまえ)
あなた
犬飼憂人
犬飼憂人
見捨てません
私は、貴方を…あなたさんを助けたいんです
お願いします
少しでいいんです
教えてください
この痣は…なんなんですか
(なまえ)
あなた
もう遅いのに…
犬飼憂人
犬飼憂人
遅くありません
私は諦めません
犬飼の心配そうな眼差しは強いものへ変わっていた
甲斐田紫音
甲斐田紫音
無理して1人で抱える必要無くない?
言っちゃった方が楽だよ
土佐凌牙
土佐凌牙
何か…できることがあるかもしれねぇ
御子柴賢太
御子柴賢太
泣いてる時間が勿体ねぇ
早く吐け
…何を怖がってたんだろう



どうして信じられなかったんだろう



今までだってなんだかんだ、この人たちは私を見捨てなかった

私の足枷となっていた何かが外れた気がした






そう思った瞬間
視界が暗くなった




いつだってそうだ

上手くいくことなんてない

私は上手く生きられない
犬飼憂人
犬飼憂人
━━さん!!


犬飼憂人
犬飼憂人
━━━━!!





みんなの声が遠のく








深い深い闇の底に意識が落ちていった
読んでいただきありがとうございます!

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