第57話

42話
465
2025/04/11 02:45 更新
ピ…ピ…ピ…

と、規則正しい機械音が聞こえる

一定のリズムを刻み、何故か心地良さを感じる
なんだろう
この音は自分にすごく合う


トク…トク…トク…

と、一定のリズムで脈打つ自分の心音と同じだと、理解するまでに時間がかかった



生きている




目を開けると視界がぼやけて上手く見えない
光を僅かに感じとれる程度だ
犬飼憂人
犬飼憂人
…あなた…さん?目が覚めたんですね…!!
良かった…
犬飼の声が聞こえる

そうか、私は気を失ったのか
甲斐田紫音
甲斐田紫音
びっくりしたよ
土佐凌牙
土佐凌牙
だ、大丈夫か…
(なまえ)
あなた
…うん
犬飼憂人
犬飼憂人
目…見えてないんですか…?
突然震える声で聞かれて上手く誤魔化すことが出来ない

いや、もう誤魔化す必要なんてないのか
(なまえ)
あなた
…見えてないよ
御子柴賢太
御子柴賢太
甲斐田紫音
甲斐田紫音
…もう、聞いてもいい?
(なまえ)
あなた
甲斐田紫音
甲斐田紫音
その痣、なんなの?
私は痣が何なのか、一から説明した


みんな、メタルの侵食については知っていたようだが、実験まではピンと来ていない様子だった

父親がメタルの実験を行っていた科学者だったこと
私は被検体だったこと
心臓にメタルが埋め込まれていること
「ワタシ」の存在

そして、本物じゃないこと


彼を


殺したこと




きっともう長くないこと



全部話した
(なまえ)
あなた
なんだ

こんな簡単なことだったなんて



でも、すごく勇気がいることだったなんて
知らなかった
甲斐田紫音
甲斐田紫音
でもさ、それってあなたちゃんが殺したわけじゃなくない?
そいつが殺したわけで、あなたちゃん自身が抱えることじゃないでしょ
(なまえ)
あなた
…同じ顔で、同じ声で、同じDNAのコピーを、自分と全く別のものとして考えるのは…難しいよ
土佐凌牙
土佐凌牙
…そうか
犬飼憂人
犬飼憂人
…すみません…私に、もっと力があれば…
そういえば、あの日私を見つけた警察官は犬飼だったのか…

忘れてたな、そんなこと
御子柴賢太
御子柴賢太
心臓に埋まってるメタル、どうにかしねぇとまずいんじゃねぇの?
(なまえ)
あなた
うん
でも、もう手遅れかも…
犬飼憂人
犬飼憂人
っ…
もう視界もほとんど見えていないのに

希望を持てって方が無理な話だ
今会話出来てること自体、奇跡に等しい

私の今の姿
きっとすごく汚いんだろう
犬飼憂人
犬飼憂人
…すみません
そろそろ面会時間が終わります
また様子を見に来ます
何かあれば直ぐに誰かを呼んでくださいね
甲斐田紫音
甲斐田紫音
じゃあね
土佐凌牙
土佐凌牙
また来る
御子柴賢太
御子柴賢太
大人しくしとけよ
みんなが部屋から出ていく音がする







疲れた

眠い

ただただ眠い


少しだけ眠ろう









































ガタガタとあなたの部屋から音がする
不審に思った犬飼は部屋を見に行った
犬飼憂人
犬飼憂人
!!御子柴くん!!何してるんですか…!!
御子柴賢太
御子柴賢太
手がかり探してんだよ
見りゃ分かんだろ
犬飼憂人
犬飼憂人
…手がかり…ですか
止めようとした犬飼も賢太の一言を聞いて、少しだけそれにかけたいと思った
甲斐田紫音
甲斐田紫音
…どう思う?凌牙
土佐凌牙
土佐凌牙
…何がだ
部屋の外で2人の様子を見ていた紫音は話し始めた
甲斐田紫音
甲斐田紫音
あなたちゃんの実験について
…まるでモルモットだよね、人を人として扱ってない糞共のすることだ
紫音は自分がされてきたことと重ね合わせ怒りを覚えた
土佐凌牙
土佐凌牙
あぁ
御子柴賢太
御子柴賢太
!!おい!これ…
犬飼憂人
犬飼憂人
!!
甲斐田紫音
甲斐田紫音
どうしたの?
賢太‪が何かを見つけたようだ
犬飼憂人
犬飼憂人
…これは…
御子柴賢太
御子柴賢太
アルタートリガー社員の…名刺だ
甲斐田紫音
甲斐田紫音
そのノートは日記?
御子柴賢太
御子柴賢太
このノートに賢太は覚えがあった
あなたが隠していたものだ

きっと見られたくないだろう

だが

ここになにか手がかりがあるかもしれない

意を決してノートを開いた

プリ小説オーディオドラマ