第31話

おはよう非日常
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2025/01/08 10:00 更新
王馬小吉
王馬小吉
でもさあ、探偵が2人っておかしくない?ねえ、どっちがニセモノなのさ
モノクマの「コロシアイ」宣言から間もない頃。獄腹が見つけたというマンホールに向かう最中のことだった。
誰もが_無論自分も含めてだが_心の中で感じてはいたが口に出さなかった疑問。それを何のためらいもなく口にした王馬は、やはり幼い顔立ちに似合わずににんまりとした悪い笑みを浮かべている。
赤松楓
赤松楓
ちょっと王馬くん、そんな言い方はないよ
脱出できる希望を見つけ高ぶっていた場の雰囲気が一気に急降下したのを感じ取った赤松が、すぐに王馬を咎める。茶柱が続くように「そうですよそこの男死、あなたの名字さんに失礼です!」と非難した。やはり男子……いや、男死の最原は含まれていなかった。
王馬小吉
王馬小吉
そうは言うけどさー、赤松ちゃんだって思ってたくせにー!それに赤松ちゃんはあなたの名字ちゃんより最原ちゃんを信じるんでしょ
まるで悪気なんてないような爽やかな笑顔で王馬はそう言った。
当の本人である最原は慌てたような表情だが、隣で腕を組んで王馬をじっと見ているあなたの名字の表情は相変わらず真顔のままだ。王馬も充分やりにくい相手だが、あなたの名字も中々だと思う。

まだ少ししかしていないがわかったことがある。
王馬に一番有効なのは無視をすることだ。どんな言い返しをしても王馬はそれを何倍にもして返し、こちらを言いくるめようとする。そんなことを続ければ話は平行線になるばかりで、だからこそ王馬に返事をしないのが一番の有効手段なのだ。

あなたの名字がそれをわかって初めからそうしているのかはわからないが、王馬と顔を合わせてからほとんどと言っていいほど喋らない彼女が何を考えているのかが全くわからない。

王馬や春川、神宮寺もあまり考えていることが読めないが、それは「わからない」のであって、「想像できない」わけではなかった。
けれどもあなたの名字の考えることは全く想像できない。想像するには、あまりに情報が少なすぎる。
赤松楓
赤松楓
……ッ、そんなことない!私はみんなを信じるよ!!
最原終一
最原終一
……僕だって、確かにあなたの名字さんの方がよっぽど探偵らしいけど、自分が超高校級の探偵の称号をもらったのは自分が一番よくわかってるし……どっちかが偽物なんて、そんなのは違うと思う……
ハッキリと言い放った赤松と比べると酷く自信のなさそうな声色だったが、しっかりとそう言った最原を見てふうん、と王馬は目を細めた。

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