薄暗いスタジオで
カメラの赤いランプだけが私を凝視していた。
向かい側に座る彼。
その顔は嫌な程に、あの子に似ている。
そんなこと考える暇もなく
彼は、底知れない微笑を浮かべて問いかけた。
その声は優しい。
だけどどこか冷たさがあった。
前世で彼女に愛を教え
今世であなたとして愛を返された。
巡り巡る縁の中で、私の胸には
常に焼け付くような重みが居座っている。
アイさんを失った喪失感。
彼女に届けたかった言葉。
その全てが、今の私を形作っている。
一呼吸置く。
もう逃げない…。
彼は一瞬だけ目を細めた。
その表情が、賞賛なのか嘲笑なのかを判別させる前に
私は静かに視線を逸らす。
本当に、この映画に関わった人には申し訳ないと思う。
私が蒔いた種は
「愛」という、色々な種類の花を咲かせてしまったから……。
今回のは重要な話よね!












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。