不意に冴くんが問いかけてきた、
好きな人は凛くんだけど、マナミを好きな凛くんがいる前では言えるわけない。
嘘をつくのは慣れてる、
いつも無表情な冴くんだけどこのときばかりはすこし笑っていたような気がした。
その後は他愛のない話しをしたり、サッカーのことを聞いた、
凛くんは世界一のストライカーになることらしい、
まっすぐな君の夢を一番近くで応援したいけど、やっぱりマナミなのかな、
そんなことを考えながら暗くなったいつもの帰り道を少し早足で歩いた。
後ろから「はやい」と聞こえたけど止まれなかった、
たしかに後に置いてきたはずの二人が目の前にいて私の顔を覗き込んできた、
自分の家の前につき2人とわかれた、
わかった、と軽い返事をして自室に戻った、
ベットに顔を埋めた、
部活でつかれているため目をつぶったらすぐ寝れる気がした、
プrrrrrr
そんな時に電話が鳴った、
なにやらずっと話そうと思っていたことが
あるんだと、
え。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!