第77話

予 想 外 の 人 物
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2023/12/09 16:20 更新
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大ちゃんが部屋を出ていく寸前に言った、


「あなた、どうか俺を恨まんとってな。」


という言葉の意味が分からなくてひたすら悩んでいると、部屋のドアがばしばしと叩かれた。




また大ちゃんか。




なんて思って泣いた顔のままドアを開けると、予想外の人物がいた。






『駿佑…』






彼は私の目を見て離さない。




何も言わず、ひたすら見つめてくる。




暫く私はその瞳から逃げられなくて、やっと気づいたけど、駿佑、変装してないじゃん。




急いで駿佑の手を引っ張って部屋に入れると、彼は後ろから私を抱きしめた。




久しぶりに感じる駿佑の温もり、匂い、吐息。




全てが心地よくて、やっぱり私には駿佑しかいないと思ってしまう。




というかいつまで抱きしめられているんだろう。




そう思っていると駿佑はゆっくりと手を離して私に向き合った。






駿佑「あなた、俺は愛してんで。」






そして次は正面から私を抱きしめた。




彼があなたと呼び捨てにする時、関西弁にする時は、すごく余裕がない時。




つまり、今ってこと…?




本当は " 私も愛してる " と言い返したいけれど、それじゃ家を出た意味が無くなってしまう。




すると駿佑は何も言葉を発しない私から離れてソファーに座った。




そして自分の隣をポンポンと叩く。






『 … 』




駿佑「…早く来て。」






隣に座れということか。




理解した私はおずおずと駿佑の隣に座った。




それと同時に駿佑は私の顔を両手で包み、自分の顔と向き合わせた。




顔は少し怒っても見えるし、寂しそうにも見える。




でもやっぱりクマが凄いな…




少し駿佑の顔を観察していると、形のいいプルっとした唇が開いた。






駿佑「西畑さんから全部聞いた…」






ああ、大ちゃんの


「あなた、どうか俺を恨まんとってな。」


とはそういうことか。




とりあえず謝らないとだよね。






『駿佑、1人で判断してごめんなさい。』






謝っても謝りきれないけど。




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